先日、胃ろうの手術のために入院した母に会いに、10日ほど前から1日おきに面会に行っています。
田舎のJRとバス事情
我が家もその病院もそれなりに田舎なことと、私は車を運転しないので、病院までは、自転車と公共交通機関のJRとバスを乗り継いで行っています。
具体的なアクセスは、
- 家から最寄駅まで自転車で約20分
- 最寄り駅から病院のあるJR駅まで30分
- そのJR駅から病院までバスで30分
と、こんな感じ。
JRは時間帯によりますが、私が使う時間帯は1時間に3本くらい、そして、バスにいたっては1時間に2本、時間によっては1本という具合。
なので、それぞれの乗り換えに際の待ち時間などもあり、片道2時間弱、往復4時間くらいの道のりです。
灼熱地獄の中、ただバスを待つ
で、先日面会に行った帰り、バス停でバスを待っていました。
このバス、行きは始発なので時間通りなのですが、帰りは往々にして遅れていることが多いのです。
ですが、だからと言って遅れるのを見越して万が一乗り過ごしてしまうと、次は良くて30分後、または最悪1時間後なんてことになるので、いつも定刻に間に合うように早めにバス停に行くようにしています。
そのバス停には到着まであとどのくらいか液晶画面に表示されるようになっていて、その日も定刻より2~3分前に行ったにも拘らず、「5分程度遅れ」の文字が。
げっ、この灼熱地獄の中5分も余分に待たなきゃなの?
と思ったものの、じっと待つしかありません。
私が頼れるのはその手に握り締めた日傘だけ・・・・
「2~3分は過ぎたかなぁ」と思ってバス停の表示を見ると今度は「7分程度遅れ」に変わっているではありませんか!
ってことは、さらにあと7分?
いやいやカンベンしてほしい。
しかしなす術もなく、さらに日傘をギュッと、それも両手で握り締め、バスがやって来る方向をじっと凝視するおばさん。
ちょっとコワイ?(笑)
いつもと違うバスの車内
そして、炎天下の中、まだかまだかと思いながら合計10分ほど待ち、やっとその凝視した先から小さくバスの姿が!
おぉ~、やっとバスが来たぞ~!
ありがたや、ありがたや。
やっとの思いで日傘を閉じてバスに乗り込もうとすると、なんかいつもと雰囲気が違う?
いつもは無味乾燥の普通のバスの車内が、なんと、バスの窓にはすだれ、降車ボタンの上にはカブトムシ、
そして、天井からは金魚や風車、扇子などの飾りつけがされているではありませんか!
なんと涼しげな!
冷房が効いていて涼しいのはもちろんなのですが、この飾りつけがさらに涼しげで、それまでの灼熱地獄で溶けそうだった体をふっと優しく涼ませてくれます。
で、ちょっとうれしくなった私は、車内全体が見渡せるように一番後ろの席に座りました。
後ろから見ると、バスの中はこんな感じです。
天井の照明器具のところに金魚も泳いでいます。
なんとも涼しげでしょ。
気のせいか、同じバスなのにいつもより涼しく快適に感じました。
または外が暑すぎたせいですかね?(笑)
あ、あと降車ボタンを押すと、普通「はい、次止まります」というコンピュータの音声が流れるんですが、なんとこのバスは、「はい、次止まります」の後に川のせせらぎの音を背景にししおどしの「カーン」という音が。
芸が細かい!
で、終点のJR駅に着いて下りる時、運転手さんに「飾り付けが涼しげでステキですね」と声をかけると、運転手さんがこんなウエットシートをくれました。
あ、ちなみに私がほめたから私だけウエットシートをもらったのではなく、乗客の方全員に差し上げてましたよ(笑)。
進・宇宙一面白い公共交通を目指すプロジェクト?
で、バスを降りてJRに乗り継いだ電車の中、もらったウエットシートをよく見ると、「進・宇宙一面白い公共交通を目指すプロジェクト」とあります。
なるほど、あれは、なにかのプロジェクトの一環だったのか。
早速ネットで調べてみたら、
「宇宙一面白い公共交通を目指すプロジェクト 路線バスの魅力を発信して地球を守る! 涼を備えた両備グループの企画バス3台「涼備バス」登場 <岡山・広島」
「中国バス(福山市)、両備バス(岡山市)、岡電バス(岡山市)の路線バスがそれぞれ趣向を凝らして涼しい車内を演出し、「バスに乗りたい!」と思っていただけるようさまざまな準備をしました」
とのプレスリリースを発見。
岡山県と広島県の東部を網羅する両備グループというバス会社が企画したプロジェクトみたいです。
会社名の「両備」と「涼を備える=涼備(バス)」をかけてるんですね。
ふふふ、なんかかわいい・・・
プロジェクトのバスは、
- 1号車<中国バス> 昭和レトロでチュウゴCOOLバス号
- 2号車<両備バス> 納涼縁日号
- 3号車<岡電バス> お客サマーを快適にOh! COOL(送~る)号
の3種類があり、私が乗ったのは、「1号車<中国バス> 昭和レトロでチュウゴCOOLバス号」でした。
なるほど、「昭和レトロでチュウゴCOOL」ね(笑)。
バスの名前も、いかにも昭和の香り漂うおやじギャグ的なネーミング(笑)
がんばれ!両備グループ
さらに調べると、この両備グループは、地元のバス事業の危機を脱すべくこれまでにも色々プロジェクトを仕掛けているようです。
確かに、地方は大体車社会なので、普段車移動の人はほとんどバスに乗る機会はありません。
ですが、私のように公共交通機関で遠出する人、お年寄り、学生、その他諸々事情のある方などにとっては、バスがなくなってしまうと困るんですよね・・・・
なので、こんな風に色々なプロジェクトをエンターテイメント的に仕掛けている両備グループさんにはがんばってほしいのですが、乗るのが楽しいからバスに乗るっていうのって、正直、二次的な理由のような気がしないでもありません。
(ちなみに、このプロジェクトは、公共交通をもっと楽しく、わかりやすく、使いやすく、「サービス業」としての進化を目指しているそうです)
やっぱり、多くの人が利用するには「バスが便利だから」と思ってもらうことが一番のような・・・・
ですが、基本車社会なので車の方が便利なのは事実、そんな環境で(車より)バスを便利に感じてもらうにはかなりハードル高い・・・・
やっぱり「バスを楽しんでもらう」方向で攻めるしかない?
バス会社と観光地や名所がタイアップして、バスを利用した人だけが楽しめる(車で行っては参加できない)特典やイベントを企画するとか?
イマイチかな・・・・(苦笑)
うぅ~ん、ちょっと私には良いアイデアが見つかりませんが、バスがなくなるとちょっと困る私としては、両備グループさんには引き続きがんばってほしいです。
昭和レトロなおやじギャグも、田舎のバスのイメージに妙にフィットしていて悪くないですしね(笑)。
そんなことを思いながら、また次も「昭和レトロでチュウゴCOOLバス号」に乗りたく、両備グループさんを応援したいと思うのでした。