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90歳超えのスーパー伯父の切なさ

以前に母とのお別れの記事を書いたのですが、その時に母の兄弟が我が家に集まりました。

その時の記事「やって来たお別れ」はこちら

母の兄弟が我が家に集結

母は4人兄弟で、長男(伯父)、長女(母)、次女(叔母)、次男(叔父)夫婦+息子(従弟)が我が家に集まりました。

それぞれの年ははっきり知らないのですが、母が89歳だったので、長男の伯父はおそらく91か92歳、次女の叔母も次男の叔父も80代です。

いつもは気ままなひとり暮らしですが、その時は一気に、90代と80代の伯父たち4人、50代の従弟ひとり、計5人が泊まることになり、布団やら、食事やら色々準備に慌てました(笑)

90歳超えの伯父に驚かされた3つの「すごい!」こと

その中の長男の伯父の話です。

伯父とはたまぁに電話では話すことはありましたが、もう何年、いや何十年も会っていませんでした。

で、今回その何十年かぶりに会ったのですが、外見は90歳を超えているようにはとても見えず、若干耳は遠くなってはいるものの、足腰も頭もしっかりしていて驚きました。

千葉から在来線と新幹線を乗り継いで

まず、1発目の「すごい!」エピソードです。

伯父は、自宅のある千葉の市原市から我が家のある広島の三原市まで、約800キロメートルをひとりで在来線と新幹線を乗り継いでやって来ました。

もちろん、乗車券と新幹線の特急券は自分で購入。

これだけでも、90歳をすぎた高齢者がやるって、人によってはまぁまぁ大変ですよね。

そして、うちの三原駅は新幹線がこだましか停まらないため、途中でのぞみからこだまに乗り換える必要がありました。

で、慣れない駅での乗り換えに困るといけないと思い、三原駅に最も近い駅でのぞみが停まる福山駅でこだまに乗り換えるよう、事前に伝えていました。

で、当日、伯父から乗る新幹線ののぞみの時間の連絡があったのですが、そののぞみは、福山駅で乗り換えると待ち時間が結構あって、岡山駅で乗り換える方が良さそうということがしばらくしてからわかりました。

慌てて既に新幹線に乗っている伯父に電話をして、岡山で乗り換える方が楽だと説明。

新幹線の中での通話が通じにくい中、ちゃんと伝わったか、岡山で無事にこだまに乗り換えられるか、ちょっと心配ではありましたが、同じホームで5分程度待っていれば大丈夫だったこともあり、無事乗り換えは成功。

そして予定通り、三原駅に到着。

岡山での乗り換えは迷わなかったか聞いたら、「大丈夫やったよ」と何事もなかったように笑顔で答える伯父(笑)

すごい!

ChatGPTを使ってみたい

そして次の「すごい!」は、伯父のスマホにはChatGPTのアプリが入っていたこと!

なにかを話していた際に、伯父が「〇〇ちゃん(私の名前)、これ、入れとるんよ」と見せてくれたスマホの画面には、ChatGPTのアプリが。

どうやら、ChatGPTに興味があったらしく、自分でアプリをインストールしたみたいです。

ただ、インストールしたもののどうやって使うのかわからなかったようで、私に使い方を聞いてきたんです。

ですが、使い方がわかる、わからないの前に、90歳をすぎた老人がアプリを自分でスマホにインストールするって、すごすぎません?

私も決して偉そうに教えられるほどではないのですが、わからないことを聞くツールとして使うだけでも便利なので、「わからないことを文字で入力したり、音声で伝えたりすると、色々調べて教えてくれますよ」と説明。

すると、早速、マイクのマークをクリックしてしゃべってました(笑)

ただ、方言特有のアクセントがChatGPTにはうまく聞き取れなかったようで、なんだかトンチンカンな返事になってましたが(笑)

ですが、90歳を超えてChatGPTをインストールして使ってみるって、恐るべし、90歳オーバーの伯父!

帰りの新幹線は、EXアプリで予約したい

それと、3つ目の「すごい!」は、帰りの新幹線のチケットの購入に関すること。

伯父は、最初は駅のみどりの窓口に行こうとしていたのですが、ネットで予約して買えるのではないか思ったので私がそう伝えると、「どうやってやるのかやってみたい」と、ノリノリ(笑)

そう言った私も実は自分でやったことはなかったのですが、JR東海のEXアプリを使えばいいらしいことは知っていたので、とりあえずスマホにインストール。

ちなみに伯父はインストールは慣れているようで、それほど迷わず自分でちゃっちゃとやってました(笑)

そしてまずは新規会員登録、ということで名前や住所、電話番号などを入力。

これらの入力も時間は少しかかるものの、伯父は自分でやってましたね~

で、ほとんどの入力までやったところで、クレジットカード番号の入力画面が。

そこで、叔父の手が止まり「クレジットカード、持っとらん・・・・」

え?

私は、支払いは券売機で現金でもできるのかと思っていたのですが、EXアプリの決済はクレジットカードのみだったんです。

ここまでやらせておいて、そして思いっきり期待させておいて、本当に申し訳ない、伯父。

結局、駅のみどりの窓口まで行くことにはなったものの、叔父の好奇心にはビックリ!

ちなみに、妹の叔母にも言ってみたところ「そういうのはよくわからないし、コワイから私はやらない」ときっぱり拒否。

叔母の方が5、6歳下です。

ですが、普通の80代なら叔母の反応の方が一般的な気がします。

90歳を超えているこの叔父、体力も認知力、好奇心もいまだ衰えを知りません(笑)

すごすぎる!

そんなスーパー90歳超えの伯父も・・・

そんなスーパーな90歳超えの伯父なのですが、実は千葉ではなくもともとはずっと福岡に住んでいました。

うちの母方は九州、福岡が実家なんです。

福岡の自宅で老々介護を続ける伯父

その伯父夫婦が、娘(私の従妹)の住む千葉に引っ越したのはつい数か月前の7月のこと。

伯父の奥さん(血はつながっていない伯母)が認知症で、伯父はいわゆる老々介護を長年やっていました。

ただ、東京の叔母が心配して、電話で様子を尋ねても叔母曰く「あまり話したがらない」とのことでした。

なので、叔母は娘(従妹)から話を聞いていて、その話を私は叔母から聞いていました。

その千葉に住む従妹が老々介護のことを心配して「千葉に引っ越してくるように」ずっと言っていたようなのですが、「この年になって、千葉なんか絶対行かん!」と頑として聞かなかったみたいでした。

そりゃそうですよね。

いくら娘のそばとは言え、90歳近くにもなってから新しい土地に行くのって相当のエネルギーがいりますもんね。

ただ、認知症の母を見てきた私としては、「いくら叔父が元気とはいえ、年齢的に叔父自身にも何が起こるかわからないし、万が一何か起こったら、認知症の伯母さんともども共倒れになってしまうのでは・・・・」と陰ながら心配していました。

決断。娘の住む千葉へ

それが、この6月ごろ、東京の叔母から「いよいよ、福岡の兄夫婦が娘の住む千葉に引っ越すことにしたらしい。今の家は売ることにしたみたい」と聞きました。

あんなに、千葉に行くことを嫌がっていたのに、やはりさすがの伯父もこの先のことを考えて、「やむなし」と判断したということなのか・・・・

伯父が90歳超え、伯母さんの正確な年齢は知らないのですが、おそらく80代後半。

体も頭もしっかりしている伯父にとっても、いくら娘が近くにいるとはいえ、90歳を超えて、全く知らない土地へ、認知症の伯母さんを連れて引っ越すというのはかなりの決心だったことでしょう。

ましてや、認知症の伯母さんにとっては、友人、知人もいない、言葉も違う、知らない土地で、住み慣れた家ではなく全く新しい家で生活することがどんな影響があるのか・・・・

認知症の人にとっては、環境が変わることが良くないのは、伯父も従妹も十分承知の上のことだとは思いますが、もう背に腹は変えられなかったんだと思います。

そして伯父たちが千葉に引っ越してから、従妹と電話で話す機会があり、久しぶりなので伯母さんにも挨拶したいと変わってもらいました。

私のことをどの程度わかっていたかはわからなかったのですが、普通の挨拶や「元気?」などの会話は大丈夫でした。

で、私がうっかり「千葉のお家には慣れましたか?」と聞いたら「え???」と言葉に詰まったような様子でした。

聞いた直後に、「しまった!」と思い、すぐに話題を変えましたが、福岡から千葉に移ってきたことを理解できていないようでした。

その伯母さんの反応だけで、伯父や従妹の大変さが想像できます。

母の葬儀で、伯父が我が家に泊まった際にも、「認知症の介護は、そりゃぁもう大変よ」と何度か漏らしていました。

以前に、東京の叔母から「介護のことをあまり話したがらない」と聞いていたので、ほんの一言二言ではありますが、「認知症の介護は大変だ」と言う伯父を見て、「あぁ、本当にしんどかったんだ。苦渋の決断で千葉に引っ越すことにしたんだなぁ・・・・」と思いました。

元気に見える伯父だけど・・・

伯母さんの認知症の度合はわからないのですが、良い施設があれば施設に入所することで、伯父や従妹の負担もかなり軽くなると思うのですが、従妹曰く、伯母さんが「絶対に入らない」と言っているとのことでした。

伯母さんは伯父がいないと不安になるらしく、伯父の姿が見えないと「お父さんはどこにいるの?どこに行ったの?」と子どもたち(従妹)に何度も聞くそうです。

そんなふうに頼り切っている伯父と離れるのは、伯母さんにとってあり得ないことなのだろうし、伯父にとってもそれは痛いほどわかっているんだと思います。

伯父も以前から伯母さんのことは「『自分が最期まで面倒を見る』と言っている」と、東京の叔母から何度か聞いたことがありました。

90歳超えの伯父の「すごい!」エピソードは、もちろん本人の体力や認知力によるものが大きいとは思いますが、(奥さんである)伯母さんから頼られてると思うと、「自分がしっかりしないといけない!」という気持ちにさらに拍車をかけているのかもしれません。

ですが、そういう強い気持ちの一方で、あんなに「千葉なんか絶対に行かん!」と言い続けていたのに、福岡の家を売って千葉に引っ越すことにしたこと、そして、うちに泊まった時に「認知症の世話はそりゃぁ大変よ」と何度か言ったこと・・・・

伯父の中で「これまでに何度も何度も葛藤があったんだろうなぁ」と思います。

なんだか適切な形容詞が見つからないのですが、その時の伯父の心情を察すると切ないというか、やるせないというか、複雑な気持ちです。

上手く伝えられなくて面目ない・・・・