前回の記事で、母が4月に退院してからわずか1週間でまた誤嚥性肺炎を再発し、再入院したことを書きました。
去年の秋から3回目の誤嚥性肺炎での入院となり、心がざわざわしましたが、なんとか退院の予定となり、主治医から状態の説明を聞くことになりました。
その時の記事「まさか、こんなに早く来るとは・・・・」はこちら
退院に際しての主治医からの説明
5月15日、病院の看護師さんとソーシャルワーカー、施設のケアマネと看護師さんとともに主治医から説明を受けます。
- 抗生剤を4月27日から5月1日まで投与し、その後は状態は落ち着いている
- CRPの数値も5月12日の検査で0.15mg/dLと正常値になり、肺炎、尿路感染症ともに回復している
- 前回入院時の胃ろうのただれ部分も、皮膚科の医師が回復していると診断
とのことで、退院許可が出ました。
その後、別室で看護師さんより、
- 痰の状態と吸引の頻度
- 栄養剤の注入のスピード
- 便の状態
など細かな内容に関して、施設の看護師さんへの申し送りをしていただきました。
施設のケアマネからの予期せぬ提案
ここまで終えて、私の気持ちも少しだけ「一山超えられた」という気持ちになっていたのですが、施設のケアマネからちょっと予期していなかった提案を受けました。
それは退院後の受け入れのこと。
私は、これまでどおり慣れた環境とスタッフさんのもとですごすのが母にとって一番良いと思っていたので、入所していた施設に戻るものだと思っていたのですが、ケアマネの方が今後の受け入れに関して以下の二つの提案をされたんです。
一つ目は、これまで通り同施設で過ごす、ただ・・・・
今後も誤嚥性肺炎を繰り返す可能性があるため、そのたびに入退院を繰り返すことになり、本人の体力や認知力の衰え、慣れない環境ですごすことの負担が増すことが考えられる。
それを考慮すると、今後も同施設で引き続き受け入れをする場合、看取りを視野に入れ、入退院を繰り返すことは避け、施設のかかりつけ医ができる治療で施設内で対応していくという進め方をする。
(この時ケアマネは口にはしませんでしたが、これまでの経験値から誤嚥性肺炎を繰り返した場合の余命というものをある程度把握していて、それをふまえて、母にとって負担となる入院での治療はせず、慣れた環境で穏やかにすごせる選択肢を提案しているのだと思いました)
ただその場合の懸念点として、同施設では、夜間は看護師が不在でオンコールで呼び出しはするが、何か緊急の異常があった場合、看護師の対応が間に合わず(例えば、万が一痰がつまった場合でも気管の吸引は看護師しかできない為、窒息などの)最悪の可能性も0ではないことを了承することが必要となる。
もうひとつは、別の施設に移る
(ケアマネは、もし夜間に何かあった場合のことを特に懸念しているようで)上記の「看取りを視野に入れる介護の進め方」が受け入れられない場合、夜間も看護師がいる施設を探し、そちらに移る。
(同施設は地元の自治体ではなく、少し距離のあるもう少し大きな市の施設のため)地元の自治体で24時間看護師がいる施設があれば、そちらに移る方が家族の面会もしやすいのではないか。
という2つの選択肢を提案されました。
私たち家族の判断は
これを聞いて、正直、少し驚きました。
まず、一つ目の提案に関しては、私は、母が慣れたこれまでの施設で過ごせるものと思っていましたが、その場合でも誤嚥性肺炎の再発のたびに入退院を繰り返すこと、そのたびに体力や認知力は衰え、終末期に近づいていくことも理解していました。
つまり、慣れ親しんだ施設とスタッフさんのもとでこれまで通りできるだけ自然に穏やかにすごし、誤嚥性肺炎のみならず何か異常があれば、受診、必要なら入院する、それしか選択肢はないものと思っていたんです。
それが、入院することはせず、基本的にかかりつけ医の治療で対応していくというのは、例えば、がん末期の緩和ケアのような意味合いなのではないかと感じました。
もう今より良くなることはないとはわかっていたし、これからは終末期に向かっていくこともわかっていましたが、入院することでの治療はしない、というのはちょっとショックでした
ただ、それでも二つ目の提案の「別の施設に移る」という選択肢はありませんでした。
そもそも、自宅から少し遠方の別の自治体の今の施設を選んだのは、自宅のある自治体では私たちの希望に合う施設がなかったからです。
また、夜間に看護師がいる新しい施設ですごすことと、夜間に看護師が不在でも慣れ親しんだ環境ですごせることでは、母にとっての安心感は後者の方が良いはずだからです。
そうすることで母とのお別れが早くなったとしても、母には最期まで不安なく安心して穏やかにすごしてほしいと思っています。
確かに、母の状態は、今から衰えていくことはあっても良くなることはないです。
そしてそれは、何か病気を発症して入院してもしなくても同じことで、大事なのは残された時間をどうすごすことが母にとって幸せなのか、ということだと思っています。
今後、最も発症する可能性が高いと考えられるのは誤嚥性肺炎だと思われるのですが、肺炎の治療は抗生剤の投与で、入院したからといって何か特別な治療をするわけではなく、施設内でかかりつけ医が治療しても大差はないようです。
また、この2ヶ月という短い間に入院を2回繰り返したことで、母の体力、認知力の衰えが進んでいることは私も感じており、「今後入退院を繰り返すことは、母にとってつらくしんどいだけなんだよなぁ・・・・」と、ケアマネの話を聞きながら、そう感じていました。
そして、「今後、誤嚥性肺炎が再発して、その治療が入院してもかかりつけ医でも大きく変わらないのであれば、慣れた環境でなるべく自然に穏やかにすごすことが母にとって良いことなのではないか」とも。
ただ、この時点でどちらを選ぶか即答はせず、「家族と相談して結論を出します」と伝え、この日の話は終わりました。
帰りの電車で「誤嚥性肺炎 再発 余命」と検索すると、半年~1年程度という情報が目に入りました。
こうして具体的な数字を目にすると、否が応でも現実を突きつけられます。
ですが、これが現実なのでしょう。
前回の退院時も、「覚悟しなければ」と思いましたが、今回さらにその思いがより具体的に、より強くなりました。
その後、伯母と妹の意見も聞き、家族の意見として、「このまま母には引き続き慣れた施設で、なるべく自然に不安を感じず安心して穏やかにすごしてほしい」ということになり、施設にもその旨伝えました。
退院に向かって
こうして退院後もこれまでの施設で過ごすことになったのですが、それは今後は施設の提案の「入院しての治療は避け、かかりつけ医の対応で治療していく、最終的には看取りを視野に入れた介護」を受け入れることになります。
なので、退院と同時に、またはなるべく早いタイミングで、施設では具体的にどのような介護体制になるか、また、かかりつけ医の具体的な対応などについて話し合いの場を持つことになりました。
これまでであれば、病院から退院許可が出れば早ければ翌日、遅くとも数日以内には退院していたのですが、今回はかかりつけ医の予定も調整しなくてはならず、退院の日程は10日後の5月25日になりました。
退院許可が出ているのに、あと10日も入院していなければならないのは少し不本意ではありましたが、仕方ありません。
それに、今回の入院が前回の退院から1週間で再発してしまったことを考えると、退院許可が出てもしばらく病院にいることは念には念を入れることができる、と考えることもできます。
とにかく、ここからあと10日待てば退院できるのですから、一日、一日、その日を待つだけです。
こうして、退院までの10日間も日曜以外は面会に行き続けました。
幸い、母の様子は落ち着いていて、入院前の施設で過ごしていたころとあまり変わらないほど反応も良くなっていました。
(最終話に続きます)