5年くらい前に買った本で、水木楊さんという方の書いた「人生後半戦のポートフォリオ 『時間貧乏』からの脱出」という本を、最近もう一度読んでみました。
これは、父が亡くなった頃だと思うのですが、タイトルに惹かれて本屋さんでパラパラと立ち読みしたのがきっかけで、それまでの自分の生き方を考えさせられるきっかけになった本です。
お金+モノ+時間=100%
この本は、文字通り、「人生後半戦をどう生きるか。お金を追い求める人も、買い物に精を出す人も、立ち止まって時間の大切さをふり返ってみませんか」という内容です。
なんですが、よくある精神論的な内容ではなく、表やグラフなどで数値化、図式化して論理的にアプローチされています。
その中で、最も腹に落ちた内容が、
「お金とモノと時間(自分の自由になる時間)はそれぞれトレードオフ」
という考え方。
お金+モノ+時間=100%
- お金が増えれば、モノと時間、もしくはそのどちらかが減る
- モノが増えれば、お金と時間、もしくはそのどちらかが減る
- 時間が増えれば、お金とモノ、もしくはそのどちらかが減る
という論理です。
中には、働かなくても金融資産などから十分な収入があって、時間もあり、モノもたくさん持っている人もいるでしょうけど、とりあえず一般論として、この関係が成り立ちますよね。
図で表すと
そして、著者は、時間とお金とモノをそれぞれこのような図で表しています。
この場合、
- 時間がある人は縦に長い三角形
- お金がたくさんある人(特に、お金はあるけど時間はない人)は、左に突出したぺっちゃんこの三角形
- モノをたくさん保有している人は、右に突出したぺっちゃんこの三角形
になります。
これらを正確に表すには、それぞれの単位を統一しなければならないのですが、その方法は、
- 自分の時給を、年収 ÷ 働いた時間で算出
- モノは、年間に購入したモノの金額
- お金は、年間に購入した金融資産の金額
- 時間は、年間の自分の自由になる時間 × 時給
これで、お金もモノも時間も、「それを得るための金額」という共通の単位で比較できることになります。
自分の自由になる時間の算出方法やモノの定義など、細かくは色々あるのですが、考え方はざっとこんな感じです。
わかりやすいですよね。
私のbefore & after
私の場合、東京時代と現在の生活で、この三角形の形が顕著に変わり、この時間とモノとお金の論理の説得力を改めて感じています。
- before(東京時代):お金とモノは普通にあるが、時間が足りない状態
- after (現在):収入は格段に減り、モノもあまり所有していないが、自由な時間が潤沢にある状態
それぞれ三角形で表すと、こんな感じでしょうか。
本のサブタイトルどおり、「時間貧乏からの脱出」を実現することができました!
本当の贅沢とは
朝起きて、その日の過ごし方を自分で自由に決められる、そんな日がずっと続く、こんな贅沢ってありますかね?
特に、あれがほしい、こうしたい、っていう強い欲求みたいなものはあまり感じなくなりました。
別に以前が強欲だったわけではありませんが(笑)、あぁしたい、こうしたい、あんな自分になりたい、みたいなものが以前はもっとあったような気がします。
もちろんそういう目標みたいなものに向かって努力することは良いことなのですが、今は、本当に必要なこととそうでないことが、なんとなくわかってきたというか、重いと感じる荷物は降ろしてもいいんだと思えるようになった、というか・・・
でも、こんな風に思えるようになったのは、やはり父親が亡くなったことがきっかけだと思います。
もし両親とも今も元気でいれば、私は今も変わらず時間貧乏のまま東京で働いていたことでしょう。
ですが一方で、これまで重い荷物を肩に背負って、走り続けてきたことに達成感みたいな感覚も感じています。
他人の評価はともかく、自分なりに一生懸命走ってきたつもりなのでね。
走り続けることのしんどさを多少なりともわかっているからこそ、今の生活のありがたさが感じられるんでしょうね~
「人生、無駄なことは何一つない」ってことでしょうか。
今まで、これまでの人生をふり返るなんて思いもしなかったし、実際にふり返ることもなかったような気がしますが、こんな風に考えられるようになったなんて、私も年をとったってことなんでしょうなぁ。
若者の皆さん、年をとるのもなかなかそう悪くないものですぞ。