すーちゃんシリーズ、第5作目です。
今回は、すーちゃんには結構大きな出来事が起こります。
これで最終作なのかな?
土田さんとの3年ぶりの再会
保育園の調理師さんとして働き始めて3年。
すーちゃん、40歳の誕生日を迎えます。
仕事から帰宅して、コンビニへ行く途中、なんと3年ぶりに土田さんと偶然の再会。
そして軽く食事することになり、あの頃と同じ楽しいひと時を過ごします。
ただ、あの頃と違うのは、土田さんの左手の薬指には結婚指輪がある(よう)。
ちょっと複雑な気持ちでの食事の帰り道、土田さんからメールが。
「うまい中華に行きませんか」と誘われ、すーちゃんの心はざわつきます。
一方で、すーちゃんを食事誘った土田さん。
36歳、書店員歴14年、結婚して子供も一人生まれました。
おそらく、当時の彼女の「やよいちゃん」と結婚したのでしょう。
「結婚してもハラは減る、誰かとメシくらい食うだろう」と思う一方、何かを打ち消そうとしている自覚あり。
うまい中華の帰り道
そして、「うまい中華」で土田さんとまた楽しい時間を過ごしたすーちゃん。
(はっきりとは描かれていないけど)その後も別の中華屋さんにも誘われたようで、モヤモヤしながらも土田さんとの時間を楽しいと感じてるすーちゃん。
一方の土田さん、ある日の仕事からの帰り道、「思いっきりブランコこぎてー」。
大人になってもブランコこぎたくなる時、ある、ある。
わかるよぉ~、土田さん!
ブランコ思いっきりこいで、そのままポーンとどこかに飛んでいきたくなっちゃうあの気持ちだよね。
そして後日、別の中華のゴハンに行った帰り道、土田さんから「また行きましょう」と誘われ、「手とかつなぎますか」と土田さん、「あ、ハイ」とすーちゃん。
すーちゃん、家に帰って、「手」、「つないじゃったよ」とふー、はぁー。
読んでる私も「はぁ~、すーちゃん、どうなっちゃうのぉ。」とちょっとドキドキしちゃいます。
いいこととよくないこと
土田さんとの思いがけない進展にドキドキしたりざわざわしたりのすーちゃんですが、他にも色々な出来事があります。
保育園の園長先生の奥さん(職場の先輩調理師)が病気で入院したり、鹿児島のお父さんが上京したり。
園長先生の奥さんは退院するのですが、食欲がないと聞き、スープを作ってお見舞いに行きます。
「おいしい」と言ってスープを飲んでくれる奥さんに、さらに元気になってもらうため、スープ作りを続けるすーちゃん。
奥さんに喜んでもらって「いいことをするあたし」と、土田さんを会い続けている「よくないことをするあたし」の間で、すーちゃんの心はもやもやします。
すーちゃんのお父さん
今回、すーちゃんのお父さんが上京するのですが、なんと鹿児島に帰ってから突然亡くなってしまいます。
お母さんから「お父さんが倒れた」と連絡があり、翌日の羽田で飛行機を待っている間に「亡くなった」とお母さんから連絡があるのです。
「お父さんが倒れた」と連絡がある前に、土田さんから食事に誘われるメールが届いてて、「また手とかつなぐのかな」と少しもやもやしていたすーちゃん。
そんなメールの直後に、お父さんが亡くなったことを知るなんて、なんともやるせない・・・。
すーちゃんを支えるもの
鹿児島で一通り終え、東京に戻り、「土田さんに連絡」と思いますが、ふと、「いまのあたしを支えるのはあの人じゃない、土田さんを支えるのもあたしじゃない、そういうことだ」とすーちゃん。
そして、次の食事の誘いを断り、「もう会わないことにしました」と土田さんにメールします。
その後、さわこさん(すーちゃんが学生時代バイトしていたところの正社員で、今はすーちゃんの友達)と会ったすーちゃん、さわこさんが「『歳とってしまった、もう45歳になってしまった』っていう言い方を止めようと思う」と言います。
そう言われたすーちゃんも、「あたしもやめたくなった、やめる」
そして二人で、「あたしたち、いつかおばぁさんになろうよ」「うん、なろう、おばぁさんになろう~」
(さわこさんにも、今回色々考えることがあったようです。)
さわこさんのエピソードは、別途ご紹介するとして、すーちゃん、凛々しいというか、すがすがしいというか、なんともステキですね。
すーちゃんを支えるのは土田さんではないと気づいたすーちゃん。
この先支えてくれる誰かと巡り会ってもそうでなくても、すーちゃんは自分の足でしっかり支えていけると思います。
きっとできるよ、すーちゃん!