パリ五輪も終わり、あの興奮も少しずつ落ち着いてきましたね。
私が一番期待して観ていたのはバレーボールでした。
オリンピック前のネーションズリーグの時から応援していたので、ついにオリンピックも終わってしまい、なんだか気が抜けてしまいました。
いわゆる、「ロス」ってやつです(苦笑)
日本男子バレーボールの記事はこちら
もうひとつ気になった競技は・・・
もうひとつ、バレーボールほどではないのですが、気になった競技があります。
それは、馬術。
オリンピックの競技ではマイナー競技の馬術。
私も乗馬を始める前までは、オリンピックの競技だったことすら知らなかったんですが、5年前に乗馬を始めてから、前回の東京五輪で乗馬競技を観るようになりました。
で、今回のパリ五輪です。
総合馬術で、1932年ロサンゼルス五輪のバロン西以来92年ぶり、団体ではなんと初のメダル獲得!
(バロン西とは、西竹一という日本陸軍の軍人で爵位は男爵。1932年のロサンゼルス五輪の馬術障害飛越競技の金メダリスト)
欧米などの馬術強豪国の中での堂々の銅メダル!!
はい、あの「初老ジャパン」ですよぉ!
実際には、皆さん、全然初老という年齢ではないと思いますが、92年ぶりのメダル獲得という偉業とキャッチーなネーミングが受けて、馬術に興味を持った人も多いかもしれませんね。
で、この初老ジャパンの選手4人のうち、田中利幸選手と北島隆三選手が、私が入会しているクレインという乗馬クラブ所属の方なんです。
と言っても、私はただの会員で、あちらはオリンピアンですから、天と地、いやそれ以上の差があるのですが、それでもなんだかうれしいものです。
初老ジャパンの銅メダル後、私も乗馬のレッスンへ
で、先日、オリンピックが終わってから最初の乗馬レッスンへ。
オリンピックから多少時間がたってはいたものの、初老ジャパンのメダルに刺激されていた(名実ともに初老の)私は、その日はいつもよりやる気に満ちていたりして・・・・?(苦笑)
その日は、駈歩(かけあし)のレッスンを2鞍(1レッスン45分を1鞍と言います)受けます。
駈歩とは、馬の走り方のひとつで、すごく簡単に言うと、暴れん坊将軍がパカラン、パカラン、と走っているあの走り方です。
正確に言うとあんなにスピードは出さず、ウィキペディアの駈歩の説明の動画くらいのスピードです。
その他には、常歩(なみあし)、速歩(はやあし)という歩法があり、どちらもウィキペディアの動画がわかりやすいです。
ちなみに今までは、駈歩のレッスンでは同じ馬を指定して練習していたんですが、そこそこ乗れるようになったので、最近では馬は指定せず、クラブが指定する馬(毎回違う)に乗っています。
(キャバクラ等の指名料みたいな感じで?)馬を指定するとその指定料金がかかることと、その馬だけでなく色んな馬で駈歩ができるようになりたいと思いまして。
ただ、馬によっては扱いが難しい馬もいるので、どの馬にあたるか毎回ちょっとドキドキします(苦笑)
で、その日の馬は1鞍めが「慈空(じくう)」、2鞍目が「シンワハーツクライ」という馬でした。
慈空は以前に乗ったことがある馬で、比較的乗りやすかった記憶があります。
シンワハーツクライは当初指定してずっと続けて乗っていた馬なので、こちらもまぁまぁ慣れています。
ちなみに、シンワハーツクライのお父さんは「ハーツクライ」という馬で、G1レースでの優勝経験もある有名なサラブレッドです。
というわけで、「2頭ともそれほど大変そうじゃなくてよかったぁ」とちょっと安心。
駈歩レッスン1鞍目
で、最初のレッスンは、慈空に跨ります。
慈空は体が大きく大股なので、駈歩ではそれなりのスピードが出てしまうため、ちょっと抑え目にコントロールしなくてはいけないのですが、基本的には私の指示に素直に反応してくれる良い子です。
馬によっては、それぞれのクセやその時の彼らの気分などに手こずって、なかなか駈歩が出なかったり、出ても続かなくてすぐ速歩になったりすることもあるのですが、その点、慈空は素直で、反抗したりサボったりすることなく、ずっと問題なく走ってくれました。
ぶっちゃけ、これまでの駈歩レッスンの中でもベスト3に入るくらい、スムーズに駈歩できてうれしかったです!
ちなみに、このクラブの馬場は、すぐ横に池というか湖があるのですが、その日は釣り人がボートを出して釣りをしていました。
インストラクターさん曰く、「ボートが動いたり、乗っている人が動いたりすると、馬がそれに驚いて急に想定外の動きをすることがあるから、気をつけてください」とのこと。
ですが、ボートはかなり遠くにあり、スピードを出して移動するもなくずっと同じ場所に止まったままだったので、一応気にはしていたものの、大丈夫だろうと思っていました。
そして、2鞍目
慈空の駈歩が調子良かったので、若干気分がノッてきた私。
「初老ジャパンのように」とは恐れ多くて口が裂けても言えませんが、私のような素人でも、駈歩でパカラン、パカランと走れると、「馬に乗ってる~」という感じで気持ちよいのですよ。
これがしたくて、乗馬を始めたと言ってもいいくらいです。
慣れていたはずのシンワハーツクライで、まさかの?
で、2鞍目はシンワハーツクライ。
シンワハーツクライは多少クセがあるのですが、少し前まで指定して何回も乗っていたので、その時のことを思い出しながら一応集中して乗ります。
レッスン開始して最初の10分くらい、駈歩に入る前の準備として、常歩、勢いのある常歩をするのでするのですが、いつもどおり馬場を何周かまわって、湖の横を常歩で歩いていた時のこと、突然シンワハーツクライが何かに驚いて、それを避けようと大きく左にはずんで体を傾け、「えっ?」と思った次の瞬間・・・・、
落馬!
あっちゃぁ~
落ちちゃったよ。
「それまで、ごくごくふっつうに歩いてたのに、なぜ?いきなり?」と、頭の中は?マークです。
ちなみに、レッスンでは落馬対策のため、エアバッグのベスト、ヘルメットを着用しています。
このベストのアタッチメントを鞍にセットし、落馬などで鞍と体が大きく離れるタイミングでアタッチメントが引っ張られて鞍からはずれ、人間が地面につくまでにエアバッグが膨らむ仕組みになっています。
車のエアバッグと同じ仕組みですね。
なので、エアバッグベストが機能し、打ち身やケガなどはなく、初めて落馬した前回に比べて、今回はあんまりパニックになりませんでした。
1度目もそうでしたが、落馬って、「アッ」と思った瞬間には、もう上体が斜めになって馬から体が離れかけてるんですよね。
1度目はとにかく初めてのことだったので、ちょっとビックリというかあわてたのですが、今回は、「あ、これは落ちるな」と思った瞬間に、「背中を丸めて背中から落ちよう」と頭をよぎったんです。
「エアバッグベストも着ているし、背中から落ちればほとんどダメージはない」と、落ちていくあのほんの短い瞬間に思ったんですなぁ。
2度目のせいか若干余裕があったのか?(笑)
それにしても、それまで全く何事もなくふっつうに歩いていたのに、何が原因だろうと思っていたのですが、インストラクターさん曰く、「それまで見えてなかった湖のボートが急に目に入って驚いたのかもしれない」と。
落馬の後は人のみならず、馬も興奮?または神経質になるので、インストラクターの方が乗って落ち着かせてから状態を確認して、私たちがまた乗ることになります。
なんですが、この時の彼は、状態がなかなか安定せず、神経質なままだったので、別の馬に乗ることになりました。
シンワハーツクライよ、案外君って繊細だったんだね。
ちなみに乗っていた私の方は、幸いなことに心身ともにほとんどダメージはなく、落馬後も「時間がもったいないから早く乗りたい」くらいに思ってました(笑)
ピンチヒッターのタイタン
で、ピンチヒッターとしてやってきたのが、タイタンという馬。
確か、タイタンも1回だけ乗った記憶があり、それほどクセのある馬ではなかったような・・・。
本当ならレッスンに出る予定はなく、馬房(馬の個室)でのんびり過ごせていたはずなのに、「この暑い中、予定外で働かせて申し訳ない」と思いつつ、タイタンに跨ります。
この時のタイタンの気持ちは、きっとこんな感じ。
「せっかく部屋でのんびりしてたのに、このクソ暑い中、なんで働かなきゃいけないんだよぉ。全く・・・・」
いやほんと、そのとおり、わかります。
人だってせっかく涼しい部屋でくつろいでいたのに、いきなり「はい、仕事が入ったからすぐ準備して!(それも猛暑の中)」なんて言われると「えーっ?ウソでしょ?勘弁してよぉ」ってなりますもんね。
タイタンに対して、若干申し訳ない気持ちになるものの、ここで私が遠慮がちになってしっかり指示を出さなかったり、弱気になっていると、馬にも伝わりそうな気がするので、そこはしっかりお仕事してもらうべく、心を鬼にして(?)きっちり指示を出します。
ところが、そんな私の心配をよそに、駈歩前の準備の指示にもしっかり対応、駈歩もすぐに出してくれて、その後の継続もとってもスムーズでした。
短い時間の準備だったにもかかわらず、1鞍目の慈空と同じくらい、気持ちよく駈歩を楽しめました。
急な召集にもかかわらず、猛暑の中きっちりお仕事してくれたタイタン。
感謝です!
ありがとう!
落馬を重ねて上手くなる?
「初老ジャパンに刺激され」なんて、いつもよりやる気満々でレッスンに臨んだものの、まさかの落馬(苦笑)
ですが、1鞍目の慈空、落馬後のタイタンともに、私の指示に素直に応じてくれて、これまでの駈歩レッスンの中ではかなり良い駈歩ができて、落馬したことを差し引いても、それなりの満足感を得られたレッスンでした。
それに、落馬に関しても、今回は特に打ち身などもなく、精神的にもほとんどダメージがなかったので良かったです。
「背中を丸めて背中から落ちよう」なんて考える余裕があったこと、自分でもちょっとビックリです。
乗馬って、こうやって、何度も落馬しながら上手くなっていくんでしょうか?
知らんけど(笑)