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年代物のピアノ、調律費用は果たしていくらに?

家の郵便受けに入っていた「大人のピアノ体験無料レッスン」というチラシがきっかけで、ピアノの体験レッスンに行ってみた私。

これが思いのほか楽しくて、正式に入会し、62歳にしてピアノを習うことと相成りました。

ピアノ無料体験レッスンの記事はこちら

調律+修理も必要なのでは?

ピアノ無料体験レッスンの記事にも書いたのですが、うちのピアノは、音が鳴らなかったり、押しても戻りきって来ない鍵盤があったりするほどの年代もの。

まぁ年代ものというと聞こえがいいですが、要は40年以上前のかなり古いピアノなんです。

音が鳴らなかったり、鍵盤が戻りきって来なかったりなんて、音の調律もさることながら、そもそも修理が必要なのでは?

「いったいどのくらいかかるんだろう・・・・?」と、正直ちょっと心配でした。

ネットで40~50年前のピアノの調律費用を調べたところ、大体3万円から10万円程度までバラバラで、要はそのピアノの状態によるみたいでした。

いっそ電子ピアノを買うという手もある?

とりあえず、最大で10万円か・・・・

10万円もかけて調律(おそらく+修理も)する価値あるのかなぁ・・・・?

「それなら、いっそ電子ピアノを買う方がいいのでは?」など、いろいろ気持ちが揺らぎます。

で、電子ピアノの価格を調べてみると、これまた、安いもので2~3万円、高いものは20万以上とピンキリ。

なるほど、2~3万円で買えることはわかりましたが、あまり安すぎるものもいかがなものか・・・・?

初心者用のエントリーモデルとやらで調べてみると、ヤマハやカワイ、ローランドなど有名どころのピアノメーカーの5~6万円くらいが売れ筋で、初心者から中級者ならこのくらいのもので良さそうということがわかってきました。

ただし、ヘッドホンや椅子、スタンドなど付属品も必要なので、+2万円位、トータル7~8万円くらいかかりそうです。

で、電子ピアノのメリットとしては、

  • ヘッドホンをすれば時間を気にせず練習できること
  • 調律が不要
  • 将来的に東京に引っ越して、マンション住まいになった時にも便利

なるほど、確かに初心者が手軽に始められそうで、便利な気がします。

一方、デメリットは、

  • 本物のピアノと鍵盤のタッチが違うらしく、本物のピアノを弾きづらく感じるらしい
  • 今のピアノを処分するか、しないなら電子ピアノの置き場所の確保が必要

デメリットに関しては、鍵盤のタッチとか言われても、ど素人の私にはちょっとピンと来ず、「そんなものなのか?」という感じです(笑)

ただ、置き場所に関しては、今のピアノを処分するのはちょっと気が進みません。

仮に電子ピアノのコストが7~8万円として、今のピアノの調律費用が同じくらいかかるとしたら、電子ピアノのメリットを考えると、電子ピアノを買う方が良さそうな気もします。

ですが一方で、母が買ったピアノを処分するのは忍びないということと、いくら古いピアノでもせっかくピアノがあるんだから、本物のピアノで練習する方が良さそう、という気も・・・・

と、色々気持ちが定まらないまま、(このピアノ教室では、調律も対応しているので)とりあえず、ピアノ教室に相談してみることにしました。

とりあえず、調律の相談+依頼してみる

そして数日後の初回レッスンの日、レッスンが終わって受付で調律のことを相談してみました。

この教室では、通常の定期的な調律(年1回程度)は14,000円で、それに+αの調律や修理費用が加わるそうです。

で、具体的な金額は伝えなかったのですが、「あまり高額になりそうなら、電子ピアノを買う方がいいのかも、とも思っているのですが・・・・」と伝えたところ、「かなり古いピアノでもそんなに高額にはならないと思いますよ」とのこと。

担当者の方はそうおっしゃったのですが、この方が考えている電子ピアノの価格は私が思っている7~8万円より高いような気がします(苦笑)

ですが、とりあえず見積もりをして目安の金額がわからないことには話しが始まらないので、まずは見積もりを依頼することにしました。

後日、実際に調律師の方から連絡が来るとのこと。

すると、その日のうちに調律師の方から連絡があり、数日後に見積もりに来ていただくことになりました。

やってきた調律師のおじさん、見積もり費用は?

で、見積もりの当日、やってきた調律師の方は、真面目そうな普通のおじさん(どちらかというと、おじいさんに近い)。

名刺には、「調律師 スタインウェイ会 会員」との記載があります。

スタインウェイについては、ピアノの最高峰ブランドらしいということはうっすら知っている程度です。

で、そのスタインウェイ会は、このサイトによると、「米国本社のトップ技術者を招へいして講習や技術認定資格試験を行い、音楽と技術双方の理論に理解があり、コンサート・チューニングのできる調律師を育成しています。現在、スタインウェイ会への登録調律師は全世界で約680人に上ります。」とのこと。

全世界で680人なので、(日本で何人いるかはわかりませんが)このおじさん、それなりの腕がある、ということなのでしょうか?

もちろん、うちのピアノはスタインウェイなどの高級なピアノではなく、MORGENSTERN(モルゲンスターン)という(たぶんそれほど有名ではない?)ドイツのメーカーのピアノです。

そう言えば、調律師の方から電話があった時、ピアノのメーカーを聞かれました。

ピアノのメーカーによって、調律師の方も得手不得手などがあるんでしょうかね。

で、その調律師のおじさん、ピアノのパーツをひとつづつ器用にはずし、あちこち見たり、鍵盤を鳴らしたりすること、30分ほど。

ちなみに、これまでの調律の経緯が記録されている紙のカードがピアノの内部にあって、それによると、最後の調律は20数年前でした。

で、一通り調べた結果、おじさんがおっしゃるには、「3万円台でできると思います」とのこと。

え?

3万円台?

「最悪10万円近くまでかかるかもしれない」と思っていたので、思いのほか安くてちょっと拍子抜けしたほど。

「それなら、電子ピアノを買わずにこのピアノを調律してもらおう」と、その時点でほぼ気持ちが決まった私。

やってもらうなら早い方がいいと思い、「それではお願いします」と、調律作業の日を決めてその日は終わりました。

調律師のおじさん、再び我が家へ

そして数日後、調律の道具一式らしきものが入った、なんだか技術者っぽいそれ専用風のかばんを抱え、調律師のおじさんが再び我が家へやってきました。

いかにもプロの調律師、技術者といった風貌です。

おじさん、調律作業開始

普通の調律だと1時間~1時間半程度らしいのですが、うちのピアノの場合は3時間程度かかると聞いていました。

おじさん曰く、「掃除機、乾いた雑巾、濡れた雑巾を用意してください」とのこと。

「あっちゃ~。掃除機も古いんだけど大丈夫かなぁ?」とやや焦った私、少しでも吸引力を上げるべく、掃除機の紙パックを新しいものに交換し、雑巾2枚と一緒におじさんに渡します。

おじさんは掃除機の古さは全く気にしていないようで、見積もりの時のように、ピアノのパーツをひとつづつはずし始め、掃除機のチューブの先に専用のアタッチメントをつけ、ピアノの内部を掃除し始めました。

で、濡れた雑巾でピアノの内部の各パーツの汚れを拭き、その後乾いた雑巾で拭いたりなど。

そのあたりまでは見ていたのですが、なんせ3時間もかかるわけで、その間ずっとそばにいるのもなんだか居心地が悪かったので、その後はおまかせした私は2階の自分の部屋に移動。

時々聞こえてくる、ポロン、ポロンという単発の音に加え、いかにもピアニストが弾くような、タララララ~ンみたいなクラシックの曲のようなメロディも聞こえてきたり。

調律師の人って、プロ並みにピアノ弾けるんですかね?

まぁ、少なくともど素人の私とは違うはず、って当たり前(苦笑)

そうこうしながら予定の3時間ほどが経過したところで、私はおしぼりとお茶を持って様子を見に。

すると、作業も大体終わりに近づいていて、おじさんもお茶を飲んで一休み。

ピアノのパーツがはずされ、中が丸見えになったピアノ。

こんなの見ることはめったにないので、せっかくなので写真を撮っておきました。

全体はこんな感じです。

鍵盤から上の実際に音が鳴る部分はこんな感じで、かなり精密な仕組みになってます。

これはピアノメーカーのロゴマークだそうです。

いやぁ、ピアノの内部なんて見る機会がないのでちょっとビックリ。

複雑で繊細なんですね~

調律作業終わり、ど素人なりに弾いてみる

で、お茶も飲み終わり、作業も終了、解体したピアノも組み立てたところで、「弾いてもいいですか?」と聞いてみました。

ど素人なので、調律の良し悪しなんてわからないのですが、押しても鳴らない鍵盤や戻りきって来ない鍵盤が直っているかだけは確認したかったのでね。

ただおじさんが弾くプロ並みのメロディを聞いていたので、ど素人の私としては、若干恥ずかしかったのですが、それでも最低限の確認はしなくてはなりませぬ。

恥ずかしいけど、「ドレミファソラシド」とか、「ドレドレミレド」とか弾いてみます。

よし、とりあえず、全て音は出るようになってました。

良かったぁ。

おじさんにそう言ったら「そのために来てるんですから、当たり前です」と真顔で言われてしまいました(苦笑)

最終的な費用は思ったより・・・・?

そして、全ての作業が終了し、おじさんが作業内容とその費用を説明してくれました。

これがその明細です。

  • 調律ピッチ変更:20,000円
    ピッチとは音の高さのことだそうです
  • アクション調整:8,000円
    アクションとは、鍵盤を押すとハンマーが弦を打つというピアノの仕組みのことだそうです
  • ハンマーフレンジセンターピン交換×5:2,000円
    音が出なかったり、鍵盤が戻り切らなかったりするのは、ハンマーフレンジセンターピンを交換することで対応するようです

合計30,000円 

消費税:3,000円

トータル33,000円也。

良かった、思ったより安かった。

こうして、無事、調律+修理が終了。

そして、おじさんは「これからは1年に1回は調律してください。来年の今頃に、私からご連絡しますので、よろしくお願いします」と。

1年に1回調律が必要なことはわかっているけど、それってお客じゃなくて調律師の方から連絡するものなの?

言い方は穏やかなのですが、ややおじさんの強引さを感じなくもありません(苦笑)

ま、ですが、おじさんの長年の調律師の経験からすると、お客に任せておくと調律しないままになってしまうパターンが多いのかもしれません。

はい、わかります。

私もどちらかというと、そのパターンですから(笑)

それに、おじさんはスタインウェイ会会員、対する私はピアノど素人。

おっしゃるとおりにいたします(笑)

というわけで、全ての作業が終了し、おじさんは帰って行きました。

米津玄帥さんのLemonが弾けるのはいつ?

いくらど素人とはいえ、これまで練習する時には鳴らない鍵盤や押しても戻り切らない鍵盤があったので、それらが直ってると思うとなんだかウレシイ!

早速、最初のレッスンで習った内容を復習してみます。

これまで鳴らなかった鍵盤もしっかり音が鳴り、なんだか練習にも身が入る、ような気がする・・・・?

「ピアノを上達するには、たとえ5分でも10分でもいいから、毎日ピアノにさわること」とユーチューブでピアニストのユーチューバーさんが言ってました。

はい、わかりました!

私、これから極力毎日ピアノを練習します!

極力、と言うのが曲者(笑)

いつか米津玄帥さんのLemonが弾きたいと思っている62歳のおばさん、果たしてそれはいつのことになるのか?

乞うご期待!(笑)