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東京都知事選の結果に感じたこと

7月7日に投開票された東京都知事選ですが、小池氏の3選という結果になりましたね。

開票の結果は

以前に書いた公開討論会に出席したの各投票数は、NHKオンラインニュースによると、以下のとおりです。

東京都知事選についての以前の記事はこちら

  • 小池百合子 無所属・現、当選 291万8015票
  • 石丸伸二 無所属・新 165万8363票
  • 蓮舫 無所属・新 128万3262票
  • 田母神俊雄 無所属・新 26万7699票

公開討論会に出席した4名の候補者が、それぞれ1位から4位までを占める結果となりました。

各候補者の結果に関するマスコミのコメント

これらの4氏の結果に関するマスコミのコメントには、主に以下のようなものがありました。

小池氏

291万票という結果から、一見、2位の石丸氏と120万票以上の差をつけた小池氏の圧勝という表現をしているマスコミが多いような印象です。

ただし、前回の366万1371票より約74万票も減らしていて、小池氏の人気が落ちてきているという評価もあります。

また、現職の小池氏にとってはこの選挙はこれまでの2期8年の成果を問われる選挙であり、その意味で小池氏の42.77%という得票率は、投票者の半分以上が小池氏のこれまでの都政の成果にNOと言っていることになる、という意見のコメンテーターの方もいらっしゃいました。

蓮舫氏

一方、蓮舫氏に関するコメントとしては、小池氏に敗れたどころか、石丸氏にも抜かれ3位という結果に終わったことに、次期衆院選に向けて勢いを加速させる機会と位置づけていた支援していた立憲民主党にとって、大きな打撃となったというものが多いようです。

石丸氏

石丸氏については、当初マスコミは「小池氏vs蓮舫氏」という構図ばかりにフォーカスし、石丸氏のことはテレビなどではほとんど扱われていませんでした。

ですが、選挙戦半ばから石丸氏の勢いが急伸し、結果、蓮舫氏を抜き2位という結果に対して、ネットを駆使した新しい戦法が一定の功を奏し、無党派層や30代以下の若い世代、男性、小池都政を評価しない層からの支持が高かったなど、出口調査から分析されています。

今後は選挙戦のあり方も変わっていくのではないか、とも言われています。

田母神氏

田母神氏に関しては、他の3人よりも桁ひとつ少ない得票数で、そのせいもあってか、他候補者のようなコメントや分析は少なく、「十分に届いていなかった」という本人のコメント以外目立った情報はありませんでした。

個人的には

私は普段からあまりテレビは見ないので、これらのテレビをはじめとする選挙結果のマスコミのコメントに対して特段の意見はなく、「まぁまぁそういうものなんでしょう」という程度にとらえています。

ですが、今回の結果に関して、個人的には正直残念だと感じています。

前回の記事にも書いたのですが、公開討論会で小池氏が他候補者からの質問に対して、回答になっていない回答を平気で何度も繰り返していました。

これって一見、質問者に対して失礼な態度に見えますが、それ以上にこの討論会を見ている都民に対してものすごく不誠実な態度だと思いませんか。

この小池氏の態度を見て、視聴者の中でどのくらいの人が小池氏に投票するでしょうか?

小池氏については、このような候補者としての姿勢に関することだけでなく、神宮外苑の再開発、築地市場跡地の再開発、プロジェクションマッピングに関する大手企業との癒着も取りざたされています。

さらに小池氏は、公職選挙法違反で(学歴詐称疑惑)(都知事としての定例記者会見で、都知事候補としての選挙活動をPR)刑事告発されています。

公開討論会での不誠実な対応、複数の大手企業との癒着の疑惑、公職選挙法違反での刑事告発、てんこ盛りです。

小池氏に投票する有権者

そんな小池氏への投票率ですが、こちらの記事によると、政党別の小池氏への投票率は、自民支持層の67%、公明支持層の77%、無党派層では31%を獲得していましたが、2020年の前回選より21ポイントも減らしていたそうです。

出典:読売新聞オンライン

この自民党、公明党支持層というのがいわゆる組織票と言われるものですね。

自分の属する団体が支持する候補者が当選すると、その恩恵を受けることができるために、組織的にその候補者に投票するというものです。

(ちなみに、実際のそれぞれの投票率を逆の立場から見ると、自民党の33%、公明党の23%の方は他の方へ投票した、若しくは投票自体しなかった、ということがいえそうです)

個人的には、この「組織票」という仕組み?には、あまりいい印象を持っていませんが、それでも、少なくとも自分のためになると思って主体的に考えて投票しているのであれば、それはそれで「あり」なのでしょう。

一方、無党派層と呼ばれる人は、政治に興味や関心がない人が多いと思われます。

かつての私もそうでしたが、そういう人は、各候補者がどういう政策を打ち出しているかなど詳しく知ることなく、イメージや消去法などから、現職を選びがちです。

例えば、「小池さんで特に不都合を感じていないから今のままでよい。無理に新しい人に代わらなくてもよい」など。

これって気持ち的にはわからなくもないのですが、そもそも、この無党派層の方達には、小池氏に関する情報、特にネガティブな情報が正しくシェアされていないように思います。

公開討論会での彼女の態度、神宮外苑や築地の再開発とプロジェクションマッピングに関する大手企業との癒着の疑惑、ひいては、公職選挙法違反による刑事告発など、もし無党派層の方々が、これらの情報を知ったとしたら、同様に小池氏に投票する気になるのでしょうか・・・?

マスコミの役割と責任

しかし、これは有権者ばかりが悪いのではなく、テレビをはじめとするマスコミにも責任があると思っています。

もともとあまりテレビを見ない私ですが、今回の選挙に関しては、ニュース番組やワイドショーなどを見てみたところ、これらの小池氏のネガティブな情報はほとんど報道されていないようでした。

これらの情報を知らず、自分の生活の中で特に困ることがなければ、政治に関心の低い人が「今のままでいい」と考えるのは、ある意味自然なような気がします。

そもそも有権者はできる限り正しい中立的な情報を得て、主体的に考え投票に臨む権利があるはずです。

ですが、現実には、仕事、家事、育児、介護、その他日々の雑務に負われ忙しい毎日を送っている人がほとんどです。

政治に関して強い関心を持っている人の方が少ないでしょう。

ですが、そういう有権者に対して、正しい情報を正しく伝えるのは本来のマスコミの大きな役割のはず。

マスコミの皆さん、本来マスコミとしてのやるべき役割を担っていますか?

何か大きな力に忖度して、都合の良い情報だけを都合よく伝えたり、逆に都合の悪い情報はあえて伝えていなかったりしていませんか?

自分の役割と責任

マスコミのこの姿勢が変わらない限り、少なくとも、我々国民の方が正しい情報を入手するという意識を持ち続けなければ何も変わらないと思います。

何も変わらないならまだしも、もしかしたら、ゆで蛙のように知らない間に温度が上がった熱湯にやられてしまう、なんてことにもなりかねません。

仕事を辞め、現役から退きのんびり過ごしている私でさえ、今回の都知事選挙ではこんなふうに思わずにはいられませんでした。

私は都民ではないので、今回の都知事選は外野から眺めているだけの立場でしたが、私の住んでいる市でも今月末に市長選挙が予定されています。

これまでのとりあえず選挙には行くだけだった私から、今回はもう少し進んで各候補者の公約などを比較検討して、自分なりにしっかり考えて投票したいと考えています!