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姪っ子と母のフォトウエディング

この春、姪っ子が入籍しました。

小さいころからいわゆる天然のほわぁ~とした子で、それがまた伯母の私からすると可愛く、「あの小さかった姪っ子が結婚ねぇ」と感慨もひとしお。

姪っ子の記事はこちら

ただ、母親(私の妹)は、お相手のことが気に入らなかったようで、入籍にいたるまでそれなりにバトルがあったようです。

姪っ子の結婚の記事はこちら

おばぁちゃんと一緒にフォトウエディング

ですが、その数々のバトルを乗り越え、この度、無事、入籍の運びとなりました。

で、姪っ子曰く「ウエディングドレスを着ておばぁちゃんと一緒に写真を撮りたい」とのこと。

結婚式をせずに、ドレスや和装で写真撮影をすることをフォトウエディングというそうで、当初、結婚式をするかどうかは未定だったみたいで、「それならフォトウエディングだけでも」ということだったようです。

で、そのフォトウエディングの撮影の時に、ウエディングドレスを着て母の施設まで来て一緒に写真を撮りたいそうなんです。

認知症の母は、彼女が結婚したことを伝えてもすぐに忘れてしまいます。

フォトウエディングで一緒に写真を撮ったからと言って、それが終わったらおそらくそのこと自体を忘れてしまうことには変わりないのですが、ウエディングドレス姿の可愛い孫と写った写真は残ります。

それに、認知症の人は話したり聞いたりしたことは忘れても、その時に感じた感情はかなり末期の段階でも残りやすいんだそうです。

そうだとすると、母が「ウエディングドレスを着た孫と写真を撮ったことを楽しい、うれしい」と思ってくれたら、その感情はこの先も残る可能性が高いということになります。

なので、母にとってもこの機会は絶対に良い思い出になるはず!

認知症の進行のみならず、体力的にもいつ何があるかわからないですから、母が元気なうちに今回の機会を作ってくれた姪っ子に本当に感謝しています!

で、施設に相談したところ、前例がないにもかかわらず快諾していただきました。

通常業務で忙しいにも拘らず、今回の依頼を快く受けてくださって、施設の職員の皆さんにも感謝です!

そうと決まったら、そのウエディングフォトに向けて、施設では日程の調整や、撮影場所の選定、母の髪の毛のカット(施設に美容院の方が来てカットしてくださる)の準備、私は母が着る洋服や靴などの準備を開始。

普段はほとんど車椅子での生活の母ですが、一生に一度(おそらくそのはず?)の可愛い初孫のフォトウエディングですから、それなりにキレイで上品なおばぁちゃんとして一緒に写真に写ってもらいたいですからね。

そして迎えた当日

当日は天候にも恵まれ、梅雨前のさわやかな季節で、緑のきれいな気持ちの良い日となりました。

薄化粧の母、なかなか良い感じ

施設の職員さんが、母にうっすらファンデーションを塗り、眉を描き、頬紅と口紅をさしてくれていました。

久々に薄化粧をし、私が準備したちょっとお洒落なブラウスとパンツを着た母は、娘の私から見てもなかなかいい感じでしたね(笑)

心なしか、母もうれしそう。

忘れずに父も連れて

そしてこの日は、父の写真も忘れずに持参。

ウエディングドレス姿のかわいい初孫と、父も一緒に写りたいに違いありません。

なので連れて行かないと、「自分だけ仲間はずれにされた」と、空の上からズーッと文句を言われそうですからね(苦笑)

で、父の写真を車椅子の母の膝の上に乗せ、母の準備は万端、いつでもOKの状態で新郎新婦の到着を待ちます。

新郎新婦到着

そして、新郎新婦とフォトウエディングのプランナーさん、カメラマンさん、メイクさんなどが施設に到着。

ウエディングドレス姿の姪っ子は、身内びいきもありますが、なかなか可愛かったです!

ちなみに、私はこの時初めて新郎クンと会ったのですが、妹が言ってたようなチャラい感じは全くなく、どちらかというと真面目そうな好青年。

車から降りて来た彼は私のところに挨拶しにやって来て、とってもいい感じでした。

(全くうちの妹ったら、なんで気に入らないんだろ・・・・?)

撮影開始

そして、施設の中庭で写真撮影が始まりました。

最初に母と新郎新婦の3人で。

次に、私と妹も加わり5人で。

そして、(新郎クンが気を利かせて、「皆さんだけでどうぞ」との気づかいで)新婦と母と私達姉妹の女性陣4人で。

それから、新婦と母の2人で。

最後には、ご協力してくださった施設の職員さん達も一緒に。

(ちなみに、顔にボカシを入れてそれぞれの画像を掲載しようかと思ったのですが、私以外にたくさんの方が写っていたり、施設の建物の外観などもわかるので、画像の掲載はしないことにしました)

身内の私達はもちろんですが、施設の職員さんはもちろん、他の入居者の方も、ウエディングドレスとタキシード姿の若い新郎新婦を見てすごくうれしそうでした。

撮影中はたくさんのギャラリーに囲まれ、ちょっとしたイベントみたいになっちゃいました(笑)

「普段施設の中にいると、ウエディングドレスの花嫁さんや花婿さんを見る機会なんてめったにないですから、他の入居者さんにとってもいい機会になりました」と施設の職員さん。

もちろん、母にとってはこの上ないハッピーな時間を過ごすことができたと思いますが、母だけでなく職員さんや他の入居者の方もそんな風に感じてもらって、なんだか私もうれしかった。

と、こんな感じで、その場のみんなが笑顔で楽しい時間をすごせたフォトウエディング。

姪っ子にはもちろんのこと、今回の機会に快く協力してくれた新郎クンにも感謝です!

なんと結婚式も!

こうして無事にフォトウエディングを終え、私もホッとしていたら、数日後、姪っ子から「ささやかだけど、12月に結婚式をすることにしたので、おねえちゃん(私のこと)にも出席してほしい」と連絡がありました。

新郎新婦が、それぞれの家族+呼びたい人だけでそれぞれ10人、計20人程度の小さなお式をするんだそうです。

新郎クンの方は、家族はご両親とご兄弟3人(うち一人は結婚しているのでその奥さんも)とのことだったので、「新婦側も家族は両親と弟だけの方がいいのでは?」と、ちょっと遠慮気味に姪っ子に聞いてみたら、「私が、おねえちゃんにも出席してほしいから」と。

いやぁ、うれしかったですねぇ~、ほんとに。

ちょっと、ホロッとしそうになりました。

君がそう言ってくれるなら、伯母さん、喜んで出席させていただきます!

察するに、彼女、本当なら、「おばぁちゃんにも出席してほしい」と思ってるはず。

ですが、今の母の状態では、長時間の外出、ましてや結婚式の出席などは難しい・・・・

彼女もそれをわかって、あえて母の出席は口に出さなかったのだと思います。

その代わりと言っちゃなんですが、伯母さんが母の分まで出席させてもらいますわよ。

「母の分まで出席」って、なんか変な日本語だけど、ま、いっか(笑)

この際、めでたければなんでもよし!