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益田ミリさんの「『どうしても嫌いな人』すーちゃんの決心」

カフェの店長さんになって2年目、36歳のすーちゃんです。

職場のカフェには、嫌いな女の同僚(向井さんという正社員で社長の姪っ子)がいます。

向井さん

向井さんは、お客さんに対する文句やバイトの女の子の悪口を毎日のように言っていて、すーちゃんは気になって仕方ありません。

そればかりか、すーちゃんがそれを諭すと、「いい子ぶっちゃって。(数秒後)冗談、冗談。」なんて返してくるので、ますますストレスがたまってきます。

ですが、すーちゃんの心をうつうつさせているのは、向井さんの言動ではなく、向井さんの言動に対して毅然とした態度が取れない自分自身なのです。

そして、ついこの間まで向井さんの態度に反抗的だったバイトの子達が、いつのまにか向井さんに手懐けられているのにも気持ちがもやもやしています。

ゆくゆくは、(社長である叔父さんのコネで)自分が店長になると思っている向井さんは、すーちゃんに対してもやりたい放題、言いたい放題。

すーちゃんの心がねじれる

向井さんは、すーちゃんが傷つくことを言った後、必ず「なぁんて冗談冗談。」とか、「森本さん(すーちゃんのこと)は真面目なんだからぁ。」と茶化すのですが、すーちゃんには彼女が確信犯だということがわかっています。

すーちゃんは、向井さんに傷つくことを言われ続け、こんな風に思います。

「心の中がねじれてからまってだんご結びになりそう。きついきついだんご結びになったら、自分でほどけなくなんないかな。」

はぁ~、すーちゃんて素直な人ですね。

向井さんのことを「嫌なやつ、嫌い。」で終わるのではなく、向井さんのことをなんとか好きになれないか、なんてことも考えたりするんです。

私にはできないなぁ・・・。

すーちゃんの解決策

解決策として、すーちゃんは異動願いを出しますが、希望叶わず。

で、ついに仕事を辞めることにします。

「逃げることは悪いことじゃない、嫌いな人を無理に好きになる必要もない。」と。

そして3ヶ月後に新しい仕事が決まります。

お母さん上京

いとこのあかねちゃんの結婚式に、お母さんが鹿児島から上京します。

すーちゃんは、仕事を辞めたこと、でも次の仕事が決まったこと、そして仕事を辞める時に「母が危篤」を理由にしたことをお母さんに話します。

お母さんは、「よか、よか。あんたのためだったら、何回でも死んであげるが。」と言います。

そして、「好子、帰って来んね?鹿児島。」とすーちゃんに声をかけますが、すーちゃんは「ありがと、お母さん。でももう大丈夫だがね。」と言って、ここで物語は終わります。

お母さん、ステキです。

そして、すーちゃんも。

このお母さんにしてすーちゃんあり!ですね。