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決断

私の母は認知症で介護付老人ホームに入所しています。

認知症を発症してから、今年で約9年目。

なので、認知症の症状もそれなりに進んでいます。

食べられなくなってきた・・・・

認知症の進行もさることながら、体力の衰えも進んでいて、今は自力では歩行できないので移動は全て車椅子です。

ここ2~3ヶ月くらいは、食事の量も通常の3~4割くらいに減ってしまい、5月中旬に施設のケアマネージャーと看護師さんから「今後の(栄養補給の)対応を主治医と相談しませんか」と提案がありました。

この時点で、私は「胃ろうなどの判断をしないといけないのではないか」と覚悟していたのですが、主治医の話では、「この次の判断としては胃ろうも考えないといけないが、まずは、点滴で対応するのがよいのではないか」ということでした。

ですが、主治医曰く、いずれ血管が細くなって針が入らなくなると、

  1. もっと太い血管(鎖骨下静脈)からの点滴
  2. 胃ろう
  3. 何もしない(自然にまかせる)

という選択肢の中から判断することになるそうです。

母の気持ちは・・・・

現時点では腕からの点滴で対応できるものの、いずれはこれらの選択肢の中からどれかを選択しなければなりません。

その選択に際して私の中でモヤモヤしていたのは、母がまだ自宅で一人暮らしができていた頃、「『胃ろうなどの延命措置はしてほしくない』と言っていた」と叔母から聞いていたことです。

つまり、次の判断をしなければならない時が来た時、「③何もしない」以外の選択肢は、母が望まない選択肢になるのではないか?ということです。

それなので、正直なところ、「次の判断をするのはなるべく先であってほしい、できるだけ長く今の点滴で対応できる状態が続いてほしい」と思っていました。

ですが、先日、施設のケアマネージャーから、「早めに次の判断を主治医と相談してはどうか?」との提案がありました。

理由としては、

  • これから夏に向かうにあたり、熱中症などのリスクも高くなること(母は水分の摂取量も極端に少ないため)
  • 点滴の針も段々入りにくくなっていること
  • いざ胃ろうにするとなっても、病院側の対応がすぐにできるとは限らない場合もあり、その場合、点滴もできない、胃ろうの対応もできないという状態になるリスクもあること

などで、つまり、施設や主治医としては全て早め早めに対応しておく方がよいという考えからのようでした。

もちろん、対応が遅く取り返しのつかないことになることは絶対に避けたいのですが、私としては、正直、「ついに来てしまったかぁ・・・、思ったより早かった・・・・」という心境でした。

数日後、ケアマネージャーと一緒に主治医の病院に行き、鎖骨下静脈からの点滴と胃ろうのメリット・デメリットなどの説明を受けました。

主治医の提案は、「鎖骨下静脈からの点滴よりも、胃ろうの方が本人も楽だしこれまでの生活を維持できるので、胃ろうに強い抵抗感がないのであれば胃ろうがよいのではないか」ということでした。

そして、家族と相談し、数日のうちに返事をすることに。

どう折り合いをつけるか

やはり私の中にある懸念は、母が「延命治療はしてほしくない」と言っていたこと。

今はまだその時ではないけれど、本当にお別れの時が近づいてきた時、胃ろうをしていることが延命治療になってしまったら・・・・

だからと言って現時点で何もしない、という選択肢は考えられない。

その両方を行ったり来たりして、なかなか結論にたどり着けない私。

ですが、なるべく冷静に整理して考えてみました。

  • 母が延命治療をしてほしくないと言っていたのは、いよいよ最期の時が近づいて、それをすることでただ生かされているだけの状態になる場合のことをイメージしていたと思われること
  • 今はそういう切羽詰った状態ではなく、胃ろうをすることでこれまでとほぼ同じ生活ができ、口からの食事も平行してできること
  • さらに、ケアマネージャーと看護師さんが「胃ろうのとらえ方は色々あるが、我々は胃ろうは食事の仕方のひとつと考えている。また、いよいよお別れの時が近づいてくると、本人の消化機能も低下して胃ろうからの栄養物をうけつけなくなることも多々あり、その場合、胃ろうが唯一の延命措置になるわけではない」と説明してくれたこと

そして、叔母や妹とも話した結果、胃ろうを選択することにしました。

きっと母も

100%モヤモヤがすっきり晴れたわけではないし、自分で自分を納得させる面も強いかもしれませんが、やっぱり、母がなるべく負担を感じることなくこれまでと同じような生活ができ、願わくば体力も少しでも回復できるのであれば、胃ろうがベストな選択だと思うんです。

あと、「もし母と私の立場が逆だとしたら、母はどうするだろう?」ということも考えました。

きっと、母も胃ろうを選択するだろうと思います。

そして、母が私のためを思ってそう決断してくれたのなら、きっと私は(自分で意思判断ができない状態でも)本能的に母のその決断を受け入れるでしょう。

なによりも、胃ろうをすることで必要な栄養が十分に摂取でき、母の体調が安定し体も心も穏やかな日々を送れることを心から願っています。