益田ミリさんのすーちゃんシリーズの2作目「『結婚しなくていいですか。』すーちゃんの明日」、3作目の「『どうしても嫌いな人』すーちゃんの決心」を読んだ後に、1作目の「すーちゃん」を読みました。
自分探し
すーちゃんは34歳、カフェの店員さんとして正社員で働いていて、バイトの子達をまとめたり、もう一人の正社員の岩井さんともつかず離れずうまくやっています。
そして、本社の中田マネジャーに秘かに心を寄せています。
そんな日々を過ごす中、すーちゃんは、今の自分を変えたいなぁと思って毎日自分探しをしています。
ある日、岩井さんから「中田マネジャーと結婚して退職する。」と打ち明けられます。
突然の告白に驚きながらも、「がんばれ~、落ち込むのは家に帰ってからだ。」と自分に言い聞かせ、平気なふりして「おめでとう。」と言うすーちゃん。
それからと言うものの、岩井さんや中田マネジャーと一緒に仕事をするのが嫌になったり、つい心の中で悪態をついたりしてしまいます。
そしてそんな自分がますます嫌になったりしてしまいます。
まいちゃん
すーちゃんには、まいちゃんという同じ年の34歳の友達がいます。
すーちゃんによると、まいちゃんは美人で頭が良くて、でも自分と同じ独り者。
まいちゃんには不倫の彼がいて、すーちゃんもなんとなく知っているのですが、そのことについては何も触れません。
すーちゃんもまいちゃんもお互いに仲がいいからと言って、何でもしゃべる必要はないと考えていて、すーちゃんはそんな関係が心地よいと感じています。
まいちゃんは、一般企業の営業職として毎日忙しく働いています。
上司に気を使い、得意先に気を使い、時々休日出勤もしながら、すり減らして働きながら過ぎていく毎日。
スーパーで落ちていた商品を見つけたけど、面倒で拾わなかったことをほんの少し後悔するするまいちゃん。
燃えるゴミにプラスチック容器を1つだけ混ぜてしまったとを反省するまいちゃん。
エレベーターでまだ間に合いそうな人がいたのに、気がつかないフリをして閉ボタンを押してしまったまいちゃん。
会社のトイレで10分間寝てしまうまいちゃん。
わかるわぁ~
で、まいちゃんは不倫の彼に別れを告げます。
店長のオファー
ある日、すーちゃんは「店長をやってみないか?」と現店長から打診されます。
すーちゃんは迷います。
仕事に対してそれほど向上心があるわけでなく、正直ちょっと面倒とも思ったりしています。
そんなときまいちゃんと会うのですが、すーちゃんは彼女には相談しません。
「自分の気持ちが見えていないときに、迷っていることは人に相談しない。自分の答えが薄まってしまうから。自分で迷って自分で考える。今までもずっとそうしてきたことを正しいと思ってるあたしがいる。」
すーちゃん、ステキですね。
そしてすーちゃんは、店長のオファーを受けると返事をします。
がんばりすぎず、自分なりにがんばれ、すーちゃん。