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我が家のポンコツピアノ、新しい調律師さんにお願いしてみたら・・・

昨年の5月から、ヤマハの大人のピアノレッスンに通い始めて、1年と7か月。

月に2回のゆる~いペースのレッスンなので、まだまだ初歩のレベルですが、とりあえずなるべく毎日少しの時間でも練習するようにしています。

70代、80代の生徒さんの中では・・・・

先日、先生から「〇〇さん(私のこと)は、私の大人の生徒さんの中で進むスピードが一番早い。やっぱり、年齢と上達のスピードは関係あるのね」と言われました。

「ん?」と思っていたら、続けて先生曰く「〇〇さんは、私の大人の生徒さんの中で一番若いから」とのこと。

どうやら、先生の他の生徒さんは主に70代、上は80代の生徒さんもいるらしく、63歳の私が一番若手ということらしい(苦笑)

まぁ、私としてはあくまでもマイペースでやっているので、進むスピードが他の人より早かろうと遅かろうと全く気になりません。

それよりも、70代、80代になってもなにか新しいことを習おう、始めよう、という人の方がよっぽどスゴイ!と思います。

私も70歳まで続けたら、「ピアノ弾けます」と堂々と言えるくらいに上達するのかしら・・・・?

あんまり自信がありませんが、ピアノを弾くのは楽しいので、ま、ゆっくり、のんびり、細く長く続けたいと思います。

最初の調律師さんには二度と頼まない!

そんな感じでゆる~く続けている私ですが、相棒のピアノの方も年季の入った古~いピアノです。

妹が子どもの時に習い始めた時に母が買ったものなので、かれこれ40数年~50年弱くらい経ってますかね。

昨年の5月にピアノを習おうと思った時は、押しても音がしなかったり上りきってこなかったりする鍵盤や、そもそも固くて押せない鍵盤もあったような我が家のピアノ。

ヤマハの調律師さんに来てもらい、「とりあえず弾ける状態にしてください」とお願いし、なんとか弾ける状態にしてもらい、レッスンを開始できるようになりました。

その時の記事「年代物のピアノ、調律費用は果たしていくらに?」はこちら

が、6月に入り梅雨時期になると、またもや押しても音が出なくなる鍵盤がちらほら・・・・

「湿気が関係しているのかなぁ」なんて思いながら、だましだまし弾いていました。

が、9月10月になると直るどころか音の出ない鍵盤は少しずつ増えていき・・・・

で、5月に来てもらった調律師さんに連絡して、もう一度来てもらうことにしたんです。

ですが、この時、この調律師さんの態度にちょっとムカついて、「この人にはもう二度と頼まない!」と心に決めてました。

その時の記事「ピアノの調教師さんに、こんなこと言われちゃいました!」はこちら

ピアノ調律ネットで、別の調律師さんを探す

そして、その後しばらくは、とりあえず弾ける状態が続いていたんです。

それが、今年の夏くらいから、また、音が出にくかったり、押しても戻ってこない鍵盤が出現するように。

ただ、日によってそれなりに音が出ることもあったので、すぐに対応せず、だましだまし弾いていました。

これ、私の悪いクセ(恥)

ですが、9月が過ぎ、10月になると、だんだんひどくなり、練習するにも支障が出てくるレベルまでになってしまいました。

さすがの私も、調律師さんに見てもらおうと重い腰を上げることに。

ですが、以前に見てもらったヤマハの調律師さんには頼む気は絶対にありません!

(今でも思い出すと、あの時のムカつきが蘇りそう)

ちなみに、私の地域で調律師さんを探すとなると、ヤマハに属している方しかいないのではないかと思ってました。

ですが、前回依頼した調律師さんの印象がかなり悪かったので、たとえ他の調律師の方でもヤマハに頼む気はありませんでした。

そこで、ピアノ調律.netという調律師さんを探せるサイトから、私の住む地域に出張してくれる調律師さんを探すことにしました。

「私の地域まで出張してくれる調律師さん、どのくらいいるのかなぁ・・・?」と最初はちょっと不安でしたが、検索てみると、何人か私の地域にも出張してくれる方がいました。

そして、その中から最も口コミの良い方を選び早速連絡してみました。

私としてはできるだけ早く来てほしかったので、遅くとも11月初旬には予約できるだろうと思っていたら、なんと「11月は既にいっぱいで、早くても12月になる」とのこと、口コミが良いだけあって人気なのでしょうか?

「えぇ~、あと1ヶ月もこの状態で弾かなきゃいけないの?」と思いましたが、仕方ありません。

で、結局予約できたのが12月8日になりました。

ちなみに、この時点で、ピアノの状態がかなり悪そうなので、「この調律師の方にみてもらって『無理』と言われたら、その時は、最悪このピアノは処分して電子ピアノを買うしかないかも」と覚悟していました。

そのくらい、調子が悪かったんです、うちの年代物のポンコツピアノ。

やってきた調律師のTさん

で、12月8日当日、その調律師さんがやってきました。

年の頃は60代前半、私と同じくらいでしょうか?

外見は普通のおじさんです(すみません)

Tさんとお呼びしましょう。

早速ピアノを分解

Tさん、ネットの口コミがかなり良かったので、私としては結構期待していました。

なんたって、連絡してから1ヶ月も待ちましたしね。

ピアノのある部屋に入ると、すぐに名刺をくださり、挨拶するTさん。

おひとりで会社組織にして、ピアノの調律や修理をされているそうです。

そして、早速ピアノを分解し始めます。

前回の調律師さんもピアノを分解していたので、その時ピアノの構造や内部は見ていたのですが、今回のTさんは、前回の調律師さんが分解した状態からさらに進み部品などを分解し始め、なんと鍵盤も外し始めちゃいました。

私、鍵盤て、ねじかなにかで固定されているのかと思ったんですが、木製の土台に金属の棒がささっていて、鍵盤の穴にその棒を差し込んでいるだけなので、棒から抜くだけで簡単に鍵盤ははずれるんです。

こんな感じです。

Tさん、鍵盤を全部はずした後の本体の(おそらく、音が出ないなどの)問題がある箇所をチェックして、なにやらカッターで古くなったフェルト部分を削り、新しいフェルトをとりつけたり、その他にも色々細かい作業を進めていきます。

そして、その諸々の作業中も、今何をしているか、どういう作業をしているか、説明してくださるのですが、おそらくTさんの説明が専門的すぎて、素人の私には理解しづらい部分もあったり。

ですが、素人なりに質問すると、丁寧に答えてくれます。

横で作業を見ていても、全く気にせず、淡々と作業を進めるTさん

そして、何よりも私が「作業を見ていてもいいですか?」と聞くと「はい、大丈夫です」と言って、私が横で見ていても全く気にせず作業を進めていくTさん。

前回のヤマハの調律師さんとは全く違います!

なんたってあの方は、「イラッとするんですよ。自分の思うようにやりたいのでほっておいてください」と言いましたからね。

(ほんと、この言葉にはビックリしたし、ムカつきました)

ちなみに、パーツを分解していく途中で、2か所、止まっているべきネジがない箇所があったんです。

なくても大勢に影響のない箇所だったんですが、Tさんが分解していく途中でそのうち1個のネジが見つかりました。

Tさん、ちょっと言いにくそうに「おそらく前の方がネジを締め忘れてここに置きっぱなしにされたんだろうと思います・・・・」と。

「全く、あの調律師さんたら・・・・」と、あの時の怒りが改めて脳裏にふつふつと蘇り・・・・(苦笑)

その後も私の存在は全く気にせず、というより、修理や調律に関する話や、我が家のピアノのメーカーの話などを私にしてくれながら手を動かすTさん。

ほんと、あのヤマハの調律師さんとは、全然違います。

分解したパーツを元に戻して、やっと調律するのかと思いきや?

と、そんな調子で、ピアノに関する色んな話をしてくれながら、はずした鍵盤を元に戻し、分解したパーツも組み立てて元の状態に戻していきます。

正直、私はこれまでの作業は音が出なかったり、押すと戻って来ない鍵盤を修理するもので、組み立て直してここから調律をするのかと思っていたのですが、Tさん曰く、「これまでの作業はとりあえずまずは弾ける(音が出る)状態にすることと、修理しなくても調律ができるレベルになるかどうかの確認をするのが目的でした」とのこと。

で、Tさんの結論としては、「とりあえず音が出る状態にはしましたが、これで調律できる状態になったとは言えず、今後のことを考えると修理する方がいいと思います。ピアノ自体は古いものではありますが、良い作りのピアノなので、修理すればこれからもそれなりに弾けるようになると思います。ただし、不具合の原因は部屋の湿気なので、それが改善されないと同じ現象は2年くらい先には発生する可能性もあると思われます」とのこと。

なるほど・・・・・

Tさん、DIYのアドバイスまで?

そして、Tさん、さらに続けます。

  • 例えば冬はこの部屋の温度がすごく低いので、暖房を入れるとその際に出る湿気がピアノの部品を傷めてしまう
  • なのでできれば、今、窓の近くにあるピアノを窓から遠い逆の壁側に位置に動かすだけでも、不具合の発生頻度が少なくなる
  • 仮に今の位置のままだと、1~2年くらい先には同じ不具合が発生するかもしれないが、移動すれば、3~4年くらいは大丈夫かも

という見立てらしい。

Tさんの言うように、窓から遠い壁側に移動できればいいんですが、レイアウト的にちょっとそれは無理そう。

また、「この家にあとどのくらい住むかもわからないし、大がかりなことはしなくてもいいかな」というのが私の本音です。

それで「レイアウト的に移動は難しそう」ということをポロっと口にすると、Tさんからさらなるアドバイスが。

なんと、ピアノのすぐ近くにある吐き出し窓と出窓の2つの窓からの冷気を防ぐための、DIYで作る二重窓の作り方や、材料の種類や価格まで説明し始めてくれたんです。

Tさん、どうやら、DIYにもすごく詳しいみたいです。

私も以前に断熱窓のDIYをユーチューブで見たことがあったので、「なるほど」と思いながら聞いてました。

どこまでできるかビミョウですが、私でもできそうなことはいくつかありそうなので、ユーチューブでちょっと調べてみることにします。

それにしても、Tさん、良心的。

気になる費用は?

ここまでひとしきり、不具合の原因や対処方法、DIYの方法まで説明してくれましたが、気になるのはお値段です。

「修理する場合の費用はいくらくらいですか?」と聞いてみたところ、「修理費用が20,000円と調律費用が12,000円で合計32,000円(税・配送費込み)になります」とTさん。

え?そんなに安いの?

ぶっちゃけ、「年代もののポンコツなピアノを修理するので、結構費用は高くなるのでは」とも覚悟していたので、予想外の価格にやや拍子抜け。

32,000円でちゃんとに弾けるようになるのであれば、迷いはありません。

「お願いします!」と即決。

そして、今日の作業の費用を聞くと、なんと「今日は費用はかかりません」とおっしゃるんですよ。

「え?なんで?」と思って聞いてみると、「今日は、そもそもピアノがどういう状態か調べるのが目的でしたから。私のやり方は、それを調べて調律できる状態かどうかを確認してから、その先の作業に対して費用をいただいています。調査の作業に関しては費用はいただきません。それで会社も成り立っていますから、お気になさらないでください」とおっしゃるんですよ。

車でおそらく1時間以上かけて出張してくれたのに、なんだか申し訳ない気がしましたが、それでよいとおっしゃるので、お言葉に甘えてそうさせていただきました。

Tさんの修理+調律の腕に期待!

その後も、「少し時間を置いて作業後のピアノの音の出具合の状態を確認したい」ということでお茶をお出しして色々お話することに。

Tさんのお話は、ピアノに関するうんちくなど話題に事欠かず面白かったのですが、ちょっと専門的すぎてオタクっぽいところもありました(苦笑)

ですが、「本当にピアノが好きで、ピアノに対して誠実に丁寧に仕事をされている人なんだなぁ」という事が伝わってくるお人柄でした。

私は、Tさんはこのあたりまで出張するのは我が家が初めてかと思っていたのですが、なんと、うちのすぐ近所であと2軒調律に来ているとのこと。

Tさん曰く「このあたりは他にも調律に来ているお宅があるので、きちんとした仕事をしないとすぐうわさになりますので」と苦笑い。

いやいや、他に調律しているお宅がなくても、Tさんならきちんと仕事してくださると思います。

そして、修理の日は年明けの1月9日に決定。(年内はいっぱいだそう)

1ヶ月くらい先になりますが、Tさんから、「1ヶ月くらいは問題なく弾けるようにしてありますので、しっかり練習してくださって大丈夫です」との心強いお言葉。

最悪、母が買ったこのピアノを処分しないといけないかもしれないことも覚悟していましたが、修理すればこれからも弾けるとのこと、それも思っていたよりかなり良心的なコストで!

今回、Tさんに頼んでよかったです。

最終的には、修理して調律して戻ってきたピアノの弾ける状態がどのくらいまで保たれるのかわからないですが、とりあえず、Tさんの人柄と技術に期待しております!

Tさんが帰られてから、すぐにピアノを弾いてみましたが、これまでの押しても音が出ない鍵盤がいくつもあったストレスを感じながら弾いていた状態に比べると、押せば音が出る状態のピアノのなんと気持ち良いことか!

って、これが当たり前なんですけど(苦笑)

なんだか気分が上がってきたので、年末年始もさぼらず、しっかり毎日練習しようと思います!

あ、あと、窓からの冷気を断熱する簡単なDIYのやり方も調べないとね(笑)