前回書いた記事「どうなった?2025年、自民党総裁選」で、自民党の新総裁に選ばれた高市さんが、日本初の女性総理になって停滞していた日本を前に進めてくれるのではないかと期待していると書きました。
あの時は、ほぼ確実に高市さんが首班指名で総理大臣に選ばれると思っていました。
公明党が連立から離脱
ところが記事を公開した10月9日の翌日の10日、公明党が連立から離脱するという発表がありました。
首班指名とは?
恥ずかしながらワタクシ、首班指名の仕組みがよくわかっておらず、公明党が与党から離脱することが首班指名にどう影響するか、わかっていませんでした。
ですが、ネットニュースなどであまりに大きな話題になっていて、気になって調べてみたんです。
こういうことのようでした。
首班指名の選挙の仕組みは、
- まず、衆参両院の記名投票で過半数を取れば、その時点でその人が首相に指名される
- 過半数を取った候補者がいない場合は、1位と2位の候補者で決選投票を行い、得票数の多い方が総理大臣となる
- 衆参で異なる結果となった場合は、両院協議会を開いて話し合い、それでも意見が一致しなければ衆議院での議決が優先される。
なるほど・・・・
過半数が233と言われていますが、「それって衆議院465議席の過半数で参議院はどうなってるの?」って不思議に思ってたんです。
衆議院の議席数の過半数ばかり注目されているのは、最後は衆議院の議決が優先されるからなんですね。
あと、記名式っていうことも知りませんでした。
誰が誰に投票したか公表されることはないようですが、少なくとも党内ではわかるので、もし、自党の党首の名前を書かない議員がいたら、その議員はそれなりのペナルティを課されることになるみたいです。
Before~公明党離脱前のシナリオ
で、公明党離脱前の与党の議席は、参議院、衆議院ともに、過半数以下なので、おそらく1回目の投票では決まらず、決選投票になることが予想されます。
ですが、決戦投票になった場合、多数派を占める与党が有利であるため、1回目で決まらずとも、決選投票では与党の候補者、つまり高市さんが首相に指名されることがほぼ確実とされていたわけです。
After~公明党離脱後のシナリオ
ところが、210あった与党の議席が公明党が離脱することで、自民党の議席数のみの196議席となりました。
210でも196でも過半数の233議席には届かないのですが、ここで立憲民主党の安住幹事長が自党の党首の野田さんではなく、国民民主党の玉木代表をかつぐことを維新と国民民主党にもちかけました。
そうすると、3党の合計議席数は210となり、1回目では過半数に至らなくても決選投票で自民党の196議席に勝てる、3党の連合で自民党から政権を奪えることになるからです。
ちなみに、万が一、公明党24議席がこの立憲民主党の流れに乗って1回目の投票で玉木さんに投票すれば、合計234票となり、過半数を超えてしまいます。

出典:読売新聞オンライン
ただ、公明党は1回目の投票では自党の党首の斎藤さんの名前を書くと名言しているようですが。
立憲民主党の目論見
そしてさらに、立憲民主党は、維新と国民民主党だけでなく、れいわや共産党にも声をかけているそうです。
この立憲民主党の動きに対し、国民民主党の玉木さんは、「基本的な政策が一致することが不可欠。その点で立憲民主党とはまだ大きな隔たりがある為、現実的な話にはならない」としています。
幹事長の榛葉さんもユーチューブで同様のことをおっしゃっていました。
また、維新の吉村代表は、「まずは立憲民主党と国民民主党の意見がまとまるのであれば、真剣に話を聞く」とのことですが、両党が合意する可能性は極めて低いという見方を示しているそうです。
立憲民主党の「玉木さんを首班指名で投票するから、一緒に自民党から政権を奪還しよう」と他党にもちかけるこの言動、どうなんでしょう?
彼らの目的は、自分たちが政権を取ることだけが目的で、本来の国会議員の仕事である、日本の為、国民の為に働くという姿勢が全く見えなくないですか?
ちなみに、立憲民主党の安住さん、記者会見ではっきりと「首班指名は数合わせだ」、また、国民民主党の玉木さんが基本政策の一致を第一に求めていることに対して「きれいごとでごまかしているうちは、本当じゃない」「政策実現よりも政権交代だ」などと発言しています。
詳細は、こちらの産経新聞
自ら、「政権を取るための数合わせをやっている。政策実現は二の次だ」って公言されてます。
万が一、万が一ですよ、野党が連合して玉木さんが首相に指名されたとして、その後の政治がどうなるか?
基本政策が一致していない政党が、政権奪還の為だけに寄せ集まってできた政権が短命に終わることは、火を見るより明らかじゃないですか?
ネットニュースやユーチューブ番組を見ていると、この立憲民主党の作戦に他の野党が乗る可能性はかなり低いと思われるので、決選投票では最大多数の196議席を持つ自民党の総裁、高市さんが首相に指名される可能性が高いのではないか、という意見が多いような印象です。
日々、刻々と状況は変わり・・・・
ただ、最近の政治の状況は変化のスピード、その大きさが激しく、特に首班指名選挙を迎えて、各党の思惑、動きが活発化しているようです。
先に示したように、当初、維新は「立憲民主党と国民民主党がまとまるのであれば、真剣に話を聞く」ということのようでしたが、10月15日18時に高市さんと維新の吉村代表と藤田共同代表の会談が持たれました。
高市さんから維新へ、首相指名選挙でのご自身への投票と、連立政権樹立を含む連携の要請があったそうです。
そして、両党は連立を視野に入れた政策協議を16日から開始することで一致したとのこと。
詳細は、こちらの読売新聞オンライン
このニュース、結構大きな扱いになっていますよね。
このニュースに関するネットの口コミで目立つのは、「高市さんは当初国民民主党の方にアプローチをかけていたものの、玉木さんが曖昧な態度だった為、その次に声をかけた維新が素早く反応し、連立入りの可能性を維新に持って行かれた」というものです。
実際に、玉木さんは、「(同日の)10月15日の13時半に高市さんと会談し、首班指名の要請や連立の誘いも受けた」ということをおっしゃっています。
その後、16時に立憲民主党と維新と国民民主党の3者の党首会談を行われており、玉木さんは、その時は藤田共同代表と、野党の統一候補を目指して、結構藤田さんも真剣に議論してくれていると思っていたそうです。
しかしさらにその後の18時に、維新(吉村代表と藤田共同代表)と自民党(高市さん)との会談があり、そこで、首相指名選挙での高市さんへの投票と、連立政権樹立を含む連携の要請をされ、両者は連立を視野に入れた政策協議を開始する、という結論に至ったということです。
この維新の行動に関して、玉木さんは、「16時の立憲、維新との3者の党首会談の時点で、維新はもう自民党と連立を組むことが決まってたのか、と思い、二枚舌みたいな感じで扱われて・・・・」と少し不満げにおっしゃっています。
詳細は、こちらの日刊スポーツ
この一連の経緯、どう思いますか?
ネットなどでは、先に記載したように、「玉木さんがグズグズしている間に、吉村さんが素早く判断、行動して、自民との連立を持っていかれた」というものが目立つような印象です。
私が玉木さんに感じるのは、こんな印象です↓
そもそも国民民主党って「誰と組むかより、何をするか」に重きを置くって言ってた記憶があります。
現に上記の記事の中でも、「我々はブレずに政策本位で政策を前に進める」とおっしゃっていて、それって、自民党との連立を画策するよりも政策ごとに是々非々で対応するってことじゃないですか。
それが党の方針なら、他の党が自民党と連立をしようと関係なく、我が道を行けばいいのではないかと思うのですが、私が政治の世界を知らなさすぎのド素人だから、そう思うんですかね?
でもやっぱり、維新に出し抜かれて、自民党と連立を視野に協議を開始することが不満で、なんだか言ってることが矛盾しているように感じます。
それとも、「3者の党首会談では維新も前向きに対応するように見えたのに、実は裏では自民党と組むつもりだった」ということが不満なのかな。
でもそれもちょっと疑問を感じます。
だって、玉木さん、当初、立憲民主党とは基本政策があまりに違いすぎていて、連携は困難だっておっしゃってましたよ。
それでも歩み寄るために、立憲、維新と3者の党首会談が開かれた、ということなんでしょうか?
私の知識が浅いのかもしれませんが、やっぱり、なんだか玉木さんの言動にはしっくり来ないんですよね・・・・
そしてさらにその後、動きがありました。
玉木さんが、「公明党と政策面で連携していく」と発表されたんです。
こちらの読売オンラインの記事によると、公明党は自民党との連立解消による存在感の低下、国民民主党も自民党との連立を維新に先んじられたことで、自民党との連立が遠のいた、つまり、両者は政策を実現するために思惑が一致し接近した、ということだそうです。
このことに関しても、特に国民民主党の支持者からは、「国民民主党が進めたい政策を実現させるには、自民党と組むべきだったのに、その判断を誤ったあげく、よりによってなんで公明党と組むのか?」といったものが多いようです。
国民民主党の支持者からすれば、こう言いたくなるのも無理はない気がします。
自民党内でも反高市派うごめく
また、自民党内でも反高市派の動きがあるようです。
森山幹事長、立憲の安住幹事長と会談
「真相深入り! 虎ノ門ニュース」というユーチューブで須田慎一郎さんが、10月9日、自民党の森山幹事長と立憲民主党の安住幹事長が秘密裏に会談を設けていた、とおっしゃっていました。
真相深入り!虎ノ門ニュース(注!音声が発生します)
会談の内容は現時点では定かではないが、首班指名で自民党内から謀反的な動きがあるのではないか、という情報も漏れ聞こえているそうです。
ちなみに、首班指名で自党の党首の以外の名前を書いたりすると、党議拘束に反することになり、その場合除名処分などかなり強い罰則があるそうです。
船田元議員のフェイスブックへの投稿
さらに、これよりも驚いたのは、船田元議員という方のフェイスブックの投稿です。
船田さんは、高市さんの対応が十分でないために、公明党から連立解消が告げられたとしており、公明党の離脱により公明党の小選挙区候補に自民党候補をぶつけることも計画されていることに対して、地方での自公の協力関係を保ちたいという考えのようです。
そして、ここからが驚きなのですが、その為に、
- 総理と総裁を分離するとして、石破総理に退陣を撤回してもらい、当面はこれで国会を動かす
- それが難しいのであれば、高市さんに総裁を退いていただき、早急に総裁選挙をやり直す
という考えを公表されているのです。
いやぁ、これまた、ビックリ!
こんなことをフェイスブックの投稿とはいえ、公にする国会議員て、何を考えているんでしょう?
ちなみに、この方は総裁選で小泉さんに投票しているそうです。
高市さんが首相になる可能性、高まる
その後、10月17日に行われた維新と自民党の2回目の政策協議の終了後、維新の藤田共同代表、自民党の小林幹事長ともに、「大きく前進した」と話しています。
そして、藤田共同代表は立憲民主党、国民民主党との3党で進めてきた首相指名選挙の野党候補統一に向けた協議について、両党に打ち切りを申し入れたと話しています。
これにより、高市さんが首相に選ばれる可能性がかなり高まったといえるようです。

出典:日本経済新聞
まっとうな人、高市さん
私、ふと気づいたんですけど、高市さんて「まっとうな人」って感じがするんですよね。
AIによると、「まっとうな」とは、正当で、道理にかなっているさま、姑息な手段を使わず、正々堂々と正面から物事に取り組む様子という意味だそうです。
私は、高市さんの政策全てに諸手を上げて賛成しているわけではないのですが、少なくとも、彼女は「自分の政策を実行することに関して、姑息なやり方をせず正面から立ち向かうまっとうな人」に見えます。
ちなみに、今、高市さんの人気が爆上がりしているそうですが、それって、多くの人が私と同じように高市さんを「まっとうな人」と感じているからではないかなぁと思っています。
首班指名は21日に予定されているそうですが、その後すぐ27日にはトランプさんがやってきます。
トランプさんは高市さんが総裁に選ばれた際、首相にも指名されるであろうことに対して、
「日本が初の女性首相を選出した。彼女は、知恵と強さを兼ね備えた非常に尊敬される人物である。これは素晴らしいニュース、日本の素晴らしい人々にとって大きな出来事だ」
と賛辞を送っています。
これは、単な外社交辞令ではなく、トランプさんは高市さんに対して好意的な印象をもっているということのようです。
ちなみに、石破さんの時はどんなメッセージだったのか?
いや、メッセージそのものもあったんでしたっけ?
まぁ、そんなことはどうでもいいんですが、個人的には、まっとうな高市さんが堂々とトランプさんと対等に会談している姿を見てみたいものです。
果たして、どうなるのか?私たちの日本。