これまで何回か転職したそれぞれの会社で、今でもつきあいが続いている大切な友人がいます。
この年になると、みんなもう一生涯の友人で、どの友人も私にはかけがえのない存在になっています。
天然のお嬢様だった彼女
その友人達の中で50代半ばで会社を早期退職した後、お芝居の勉強をして、なんと女優になった友人がいます。
彼女は私より学年で3つ年上で、20代の頃働いていた某大手アパレル会社の同じ課の営業のチームメンバーでした。
国立に実家があって、大妻女子短大(だったかな?)を卒業して、銀座の和光に就職した後そのアパレル会社に転職したという経歴の彼女。
都内の実家から大妻に通って就職したのが銀座の和光って、「どこのお嬢様?」って感じで、最初は「私とは違う世界の人、ゆくゆくは結婚していいとこの奥様になるのかなぁ」って思ってました。
だけど、彼女、お嬢様とはいえど、いい意味で根っからの天然キャラでマイペース、一方、野生児(笑)の私も同じマイペース、というわけで私達結構気があったんです。
そのお嬢様が大手百貨店のバイヤーに
その後5年あまり働いて私はその会社を辞め、彼女もその数年後別の会社に転職しました。
それから約二十年ほど経ち、その間二人とも何回か転職を繰り返し、彼女は某大手百貨店のバイヤーとなり、年に何回かヨーロッパに買い付けに行くなど忙しく働いていました。
若い頃の天然キャラの彼女を知っている私としては、「大丈夫か?本当にやれてるのか?」と心配していましたが、小さなやらかしはあるものの、仕事はしっかりやっていたようです。
成長したなぁ・・・・(苦笑)
ちなみに、小さなやらかしのエピソードとしては、出張先のホテルのテレビのリモコンとケータイ(まだスマホではない頃)を間違えてカバンに入れて持って行ったり、左右違う靴下を履いて外出したりなど。
まるで昭和のコントみたいなんですが、これ、実話なんです(笑)。
そんなすっとぼけたやらかしはありつつも、がんばって仕事していると思っていたら、数年前、たぶん彼女が50代半ばの頃、勤務先の百貨店の早期退職制度を利用して退職すると言うのです。
彼女曰く、「若い部下から、使えないおばさんと思われる前にすっぱり辞める」と言って、ほんとにすっぱり辞めてしまいました。
今の私には彼女の気持ちがすごぉくわかりますが、当時の私は、「大手百貨店のバイヤーとしてバリバリ働いているのにもったいないのでは?」と思ったのを覚えています。
お芝居の世界に!
それからしばらくして久々に会い、いつものように昔話に花を咲かせていると、ふと彼女の口から「演技の勉強をする」という言葉が!
え?演技の勉強って、女優になるってこと?
いったいまたなんで?
私の頭の中は、?・?・?だらけ。
彼女が言うには、「小さい頃からお芝居に興味があったのに、何も行動しなかった。仕事を辞めた後は好きなことをやりたい!だからお芝居の勉強をする」と。
久々に彼女の天然というかマイペースぶりに驚かされた私でしたが、なんと、彼女、本当に俳優事務所のオーディションを受けて、シニアの特待生に合格し、女優としての一歩を踏み出したのです。
それからすぐに、朗読劇やミニシアターの映画出演など女優としての活動を開始し、何度か見に行ったりもしましたが、そこでの彼女は私の知ってるちょっとずっこけの天然の彼女ではありませんでした。
はい、そうなんです。
私の知らない女優の彼女がそこにいました。
その後、コロナの影響で女優のお仕事はすっかり少なくなってしまったようなんですが、先日彼女から連絡があり、8月に舞台の仕事が決まったとのこと!
これまで小さな映画やドラマなどのお仕事はあったものの、舞台のお仕事は初めてのようで、「やっとオファーが来た!」とすごく喜んでいました。
本番に備えてボイストレーニングのレッスンも始めたとのこと。
なんだか私までうれしくなってしまいました。
なりたい自分になる!
50も半ばを過ぎて、子どもの頃からやりたかったこと、それも全く経験のないお芝居の世界に踏み込むなんて、普通なかなかできません。
なかなかできないどころか、そもそも思いつきもしませんよね。
その一歩を踏み出してずっと続けている彼女を本当にスゴイと私は思うのですが、彼女曰く、「やり残したことをやらないままで後悔したくないからやっているだけで、ただのわがままなんだよ」と。
いやいや、たぶん99%の人はやらないで後悔したままなんだよ。
わがままでもなんでも、他人に迷惑さえかけなければ、やりたいことはやったもの勝ち。
年は関係ないんだね。
いつからでも、なりたい自分になろう。
20代の頃はお嬢様だった彼女、はたから見ると、結婚していいとこの奥様になるかと思いきや、シングルでバリバリ働き続け、50代後半になってなんと女優になる!
ファンキーです!!!
追記:彼女が出演する舞台のお知らせ
彼女が出演する舞台の情報です!
『 Beautiful Twelve ~ 美しき12人 ~ 』
原作はレジナルド・ローズという方の「十二人の怒れる男」で、1954年にアメリカでテレビドラマとして放送され、1957年には映画化もされました。
その後もロシアでも映画化され、世界的に高い評価を得ている作品だそうです。
「父親殺しの罪に問われた少年の裁判で、陪審員が評決に達するまで一室で議論する様子を描く」というストーリーで、12名の俳優さん全員が、ずっと舞台上で会話だけで2時間演じ続けるらしいです。
す、すごい!
ちなみに、彼女の芸名は「三月雪々乃」さんです。
東京まで見に行こうかどうしようか、現在、考え中です。