2年越しの東京オリンピック、いよいよというか、やっとというか、遂にというか、始まりましたね。
日本選手のメダルラッシュ
競技が始まり、日本選手の活躍を毎日テレビで目にします。
毎日更新されるメダルラッシュには、目を見張るものがあります。
特に金メダルの数といったら!
自国で開催されるオリンピック、コロナ禍の中での賛否両論、ともすれば切れてしまいそうなモチベーションを保って、ひたむきに努力を続けてきたからこその結果なんでしょうね。
胸に響く内村選手
そんな輝かしい結果を残す選手もさることながら、私の心が動かされるのは、3回目、4回目のオリンピックに臨む、おそらくこれが最後であろうアスリートのパフォーマンス。
オリンピックに出場すること自体ものすごいことで、その中でメダルを手にする選手は超一流のアスリートのはず。
そんな超一流のアスリートの中で、3度、4度と出場してその都度メダルを獲得してきた30代のベテラン選手たち。
10代、20代の若い頃とは確実に違う体力を感じながら、それでもあきらめずに、最後かもしれないオリンピックで何かをつかもうとするそのひたむきな姿勢に心を打たれます。
特に私の心に響いたのは、体操の内村航平選手。
世界中の体操選手からレジェンドと呼ばれる内村選手、鉄棒一本に絞ってきた今回の挑戦。
6種目の個人総合は無理でも、鉄棒で金メダルを!と多くの人が思っていたはず。
ですが、誰もが予想していなかった結果に。
私はテレビでライブで見ていたのですが、その瞬間、時が止まったように感じました。
何が起こったのか、しばらく呆然として、アナウンサーの「内村選手の東京オリンピックはここで終わりました」というコメントが、ただただ意味のない言葉の羅列のように聞こえました。
ここまで来るのに積み重ねてきた全てのものが、この一瞬で崩れ去るなんて。
これが、勝負の世界で戦い続けるということなんでしょうか。
人生は続く
予選敗退が決まった後の、内村選手の「米倉選手に土下座して謝りたい」というコメントに、色々なものを背負ってこの大舞台に臨んでいるのだなぁ、と改めて感じずにはいられませんでした。
予選敗退という結果は、他の誰よりもご本人が一番つらいはず。
初めてオリンピックに出場する若い選手の輝かしい功績の一方で、内村選手のような、良いことばかりではない過去を乗り越えてきた30代のベテラン選手の競技に対する姿勢に、胸がつまる思いです。
勢いに乗った若い選手の素晴らしいパフォーマンス、それもとても素晴らしいです。
ですが、かつて自身も何度もつかんだ過去の素晴らしい功績を持つ者が故の周囲からの期待、けがや年齢による体力の衰え、若い選手の台頭による焦り、色んなものを背負ってつかみ取った東京オリンピック。
そんな厳しく苦しい経験を乗り越えて来た今の内村選手にしか見えない景色があるはず。
彼にとってその景色は今は無念でしかないかもしれませんが、どんな状態になっても挑戦し続けてきた内村選手のその無念の思いは、これからの彼の人生に大きな大きな意味があると思います。
心からの拍手を送ります。
内村選手、まだ32歳、人生は続きます。